働きかける
「社会に働きかける」などのように使う「働きかける」という言葉。
「働きかける」は、訓読みで「はたらきかける」と読みます。
「働きかける」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「働きかける」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
働きかけるの意味
「働きかける」には次の意味があります。
・自分から他のものに動作・作用をしかける。(出典:精選版 日本国語大辞典)
例えば、「考え直すように働きかける」で「考え直すように説得する」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・試験の実施機関である府や県に働きかけるだけでは所詮は埒があかない。
(出典:渡辺淳一『花埋み』)
・市民運動体が市民に、また社会に働きかけるとはどういうことなのか。
(出典:井田真木子『もうひとつの青春 同性愛者たち』)
・他に働きかける便宜を有して、働きかける道を弁えぬものは危険である。
(出典:夏目漱石『野分』)
・第二の兵士 故郷の村にも、天候に働きかける力のある婆さんがいる。
(出典:ウルフ/岡部宏之訳『新しい太陽の書2』)
・人間どもが私の感覚に働きかけることができる間は、私はかれらの思いのままになっている。
(出典:ルソー/太田不二訳『孤独な散歩者の夢想』)
・しかしその障害が、何も悪いほうに働きかけるとばかり決め付けてしまうことはない。
(出典:乾くるみ『イニシエーション・ラブ』)
・結果が原因にふたたび働きかけることはなく、意図が目的との諸関係を変えることもない。
(出典:ポー/八木敏雄訳『ポオのSF 第2巻』)
・しかし彼の目的とするところはただ一つ、マチルドの心に働きかけることであった。
(出典:スタンダール/大久保和郎訳『赤と黒(下)』)