鏡開き
「今日は鏡開きの日」などのように使う「鏡開き」という言葉。
「鏡開き」は、訓読みで「かがみびらき」と読みます。
「鏡開き」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「鏡開き」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
鏡開きの意味
「鏡開き」には次の意味があります。
・正月の鏡餅(かがみもち)を下げて食べる儀式。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
お供え開き、お供え崩し、鏡割りとも呼ばれます。
現在は1月11日ですが、以前は1月20日が一般的でした。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・正月に床の間に飾った鏡餅をおろして食べることを〈鏡開き〉という。
(出典:興津要『江戸小咄春夏秋冬新年』)
・毎年一月の四日にはお鏡開きといって、お稽古に来る子供ばかりを座敷に集めて、翁が小豆雑煮を振舞った。
(出典:夢野久作『梅津只円翁伝』)
・ついでながら、この鏡開きで小片に割れた餠は汁粉にいれるのがふつうだが、武家社会では、小豆は腹が切れる、といって嫌い、そのかわり蕪の葉を矢じり草と称して、それをあしらった雑煮をつくった。
(出典:加藤秀俊『一年諸事雑記帳(上) 1月~6月』)
・十一日鏡開き 鏡餅今日割り食す。
(出典:興津要『江戸小咄春夏秋冬新年』)
・いまどき、鏡開きの日に鏡餅を割って食べる家などどこにもない。
(出典:東海林さだお『キャベツの丸かじり』)
・正月の第二日曜日にそれを切り、油であげて、みんなで食べるのが講道館の鏡開きであった。
(出典:三好京三『琥珀の技 三船十段物語』)
・「ああ、今日は鏡開きでしたなぁ」 金子の食べているものを覗きこみ、彼は舌なめずりした。
(出典:東郷隆『(定吉七番シリーズ 1) 定吉七は丁稚の番号』)
・七草のお雑粥、十一日の鏡開き、十五日の御歯固めなど用にまぎれて、しかし実否をただすまもないうちに、月が変って二月となった。
(出典:杉本苑子『絵島疑獄(下)』)