強か
「強かな考え」などのように使う「強か」という言葉。
「強か」は、訓読みで「したたか」と読みます。
「強か」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「強か」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
強かの意味
「強か」には主に次の三つの意味があります。
1粘り強くて、他からの圧力になかなか屈しないさま。
2強く、しっかりしているさま。
3程度がはなはだしいさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
強かの意味①「粘り強くて、他からの圧力になかなか屈しないさま。」
「強か」の一つ目の意味は「粘り強くて、他からの圧力になかなか屈しないさま。」です。
こちらからの働きかけに屈しようとしなかったり、賛同せず逆に反対意識を表現されつづけることです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・強かさは、ニルフィリアの人生にとって決して無縁の存在ではなかった。むしろ近しい友のように扱わなければならないものだ。
(出典:雨木シュウスケ『レジェンド・オブ・レギオス 第3巻 レギオス顕現』)
・さらに強かなクマとなると、日没までじっとして動くまいとする奴もいる。
(出典:熊谷達也『邂逅(かいこう)の森』)
・勇三郎よりは幾つか上でせうが、小意氣で、強かで、何んとなく戰鬪力を感じさせます。
(出典:野村胡堂『銭形平次捕物控』)
強かの意味②「強く、しっかりしているさま。」
「強か」の二つ目の意味は「強く、しっかりしているさま。」です。
物質の強さや、人物の態度などについて形容する意味として使われます。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・初めて会ったとき、彼女はデザイナーを志し、パリに住む強かな娘だった。
(出典:大沢在昌『深夜曲馬団』)
・兵たちは口々に、取り逃がした曲者の強かさを、彼の前に告げ合った。すると、道誉は哄笑した。
(出典:吉川英治『私本太平記』)
・小さき者はこうやって強かに生きていく。八重山は王府の縮図だった。
(出典:池上永一『テンペスト2 花風の巻』)
強かの意味③「程度がはなはだしいさま。」
「強か」の三つ目の意味は「程度がはなはだしいさま。」です。
破損や事件、また感情の起伏などが大きかったり小さかったりと、値の上と下の振れ幅が大きくなることです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・踏み締められて固くなった雪で足を滑らせ、腰と右脚を強かに打った。
(出典:喬林知『今日からマ王 第8巻 「天にマのつく雪が舞う!」)
・強か打った腰を押さえて見上げれば、門徒の背中がずらりと並んでいる。
(出典:和田竜『村上海賊の娘 上巻』)
・ビール一本に焼酎を三四杯飲んで、彼はもう強かに酔っていた。
(出典:上林暁/坪内祐三編『禁酒宣言 ―上林暁・酒場小説集』)