足跡
「足跡を見つける」などのように使う「足跡」という言葉。
「足跡」は、訓読みで「あしあと」と読みます。
「足跡」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「足跡」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
足跡の意味
「足跡」には次の三つの意味があります。
1 人や動物が歩いたあとに残る足型。
2 人の通っていった道筋、経路。犯人などが逃げたゆくえ。あしどり。
3 過去になしたこと。また、残した業績。そくせき。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「足跡」は他の意味もありますが、上記の意味で使うことがほとんどです。
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
足跡の意味①「人や動物が歩いたあとに残る足型。」
「足跡」の一つ目の意味は「人や動物が歩いたあとに残る足型。」です。
「地面に足跡が残る」で、「地面に足の形が残る」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・足跡はごくはっきり残っていたので、どんどんあとを追うことができた。
(出典:E・R・バローズ『創元版/ペルシダー・シリーズ(全7巻) 6 恐怖の世界ペルシダー』)
・二人は濡れた足跡を残しながら、その外縁へと長い徒歩の旅に出発した。
(出典:ジョン・ヴァーリイ『バービーはなぜ殺される』)
・半分しかないし、しかもかすかな足跡だがプラットのものにちがいない。
(出典:フリーマン・リチャード オースティン『予謀殺人』)
類語
・足跡(そくせき)
意味:地に残された足形。あしあと。通過のあと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・跡(あと)
意味:足を下ろした所に残る形。足跡(そくせき)。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・手形(てがた)
意味:手の形。物についた、手の形の跡。(出典:デジタル大辞泉)
足跡の意味②「人の通っていった道筋、経路。犯人などが逃げたゆくえ。あしどり。」
「足跡」の二つ目の意味は「人の通っていった道筋、経路。犯人などが逃げたゆくえ。あしどり。」です。
この場合の「足跡」は、「人が通った道や、犯人の逃走先」という意味があります。「犯人の足跡を追う」で、「犯人の行方を追う」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そのうちに、仲間が私の足跡を嗅いで、此處へ來ると事面倒になります。
(出典:野村胡堂『銭形平次捕物控』)
・このほうがかえって新しく犯人の足跡を辿る意味でも好都合ではなかったか。
(出典:牧逸馬『チャアリイは何処にいる』)
・所が、この薬師仏に仕える老人は、一々犯人の足跡を指摘して行った。
(出典:小栗虫太郎『後光殺人事件』)
類語
・足取り(あしどり)
意味:人の通った道筋。特に、犯罪者の逃げた経路。(出典:デジタル大辞泉)
・通り道(とおりみち)
意味:通って行く道筋。通路。また、通りすがりの道。(出典:デジタル大辞泉)
・経路(けいろ)
意味:通って行く道。通る道順。道すじ。(出典:デジタル大辞泉)
足跡の意味③「過去になしたこと。また、残した業績。そくせき。」
「足跡」の三つ目の意味は「過去になしたこと。また、残した業績。そくせき。」です。
この場合の「足跡」は、道ではなく「功績や業績」という意味があります。「彼は立派な足跡を残してきた」という文で、「彼は過去に立派な功績や業績を残してきた」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・作家ののこすべき芸術上の真の足跡というものについても、考えます。
(出典:宮本百合子『獄中への手紙』)
・近代劇史上においてイプセンほどの輝かしい足跡を残している者はない。
(出典:イプセン/矢崎源九郎訳『人形の家』)
・井伏氏や中村氏の先駆者としての立派な足跡は認めなければならない。
(出典:坂口安吾『ピエロ伝道者』)
類語
・偉業(いぎょう)
意味:偉大な事業。すぐれた業績。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・功績(こうせき)
意味:あることを成し遂げた手柄。すぐれた働きや成果。(出典:デジタル大辞泉)
・遺産(いさん)
意味:前代の人が残した業績。(出典:デジタル大辞泉)