鬱陶しい
「鬱陶しい前髪」などのように使う「鬱陶しい」という言葉。
「鬱陶しい」は、音読みで「うっとうしい」と読みます。
「鬱陶しい」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「鬱陶しい」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
鬱陶しいの意味
「鬱陶しい」には次の二つの意味があります。
1 心がふさいで晴れ晴れしない。気分が重苦しい。
2 邪魔になってうるさい。煩わしい。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
鬱陶しいの意味①「心がふさいで晴れ晴れしない。気分が重苦しい。」
「鬱陶しい」の一つ目の意味は「心がふさいで晴れ晴れしない。気分が重苦しい。」です。
心に異物があるような状態で、気持ちがすっきりしないことを言います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・何か城をあけ渡すことを迫られているような、そんな鬱陶しさがあった。
(出典:井上靖『星と祭上』)
・おつると話をしている内に胸の中の鬱陶しいものが消えて行くような気がした。
(出典:宇江佐真理『髪結い伊三次捕物余話 さんだらぼっち』)
・同じやうに頭の重い鬱陶しい日ばかりが私に続いてゐた。
(出典:牧野信一『毒気』)
・それから、ずっと抱えていた鬱陶しい問題も、俺なりに手を打った。
(出典:日明恩『埋み火』)
類語
・重くるしい(おもくるしい)
意味:気分が晴れ晴れしない。(出典:デジタル大辞泉)
・暗然(あんぜん)
意味:悲しみ、絶望などで心がふさぐさま。(出典:デジタル大辞泉)
・陰鬱(いんうつ)
意味:心が晴れ晴れしないさま。(出典:デジタル大辞泉)
・憂鬱(ゆううつ)
意味:気が晴れないこと。心配事があって心がふさぐこと。(出典:デジタル大辞泉)
鬱陶しいの意味②「邪魔になってうるさい。煩わしい。」
「鬱陶しい」の二つ目の意味は「邪魔になってうるさい。煩わしい。」です。
物事を行うのを妨げる存在があって、不快なようすを言います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・自分に懐かない娘のことを、今では彼も鬱陶しく感じているようだった。
(出典:大石圭『飼育する男』)
・それを聞かれていた頃、要子はその言葉がいちばん鬱陶しく感じられた。
(出典:唯川恵『不運な女神』)
・ホストはそう言うと、鬱陶しそうな前髪の隙間から私の顔を覗き込んだ。
(出典:加藤実秋『インディゴの夜 全4話』)
・いつもは鬱陶しいと思ってはいても、母亡き後はただ一人の親である。
(出典:仁木英之『僕僕先生』)
類語
・不愉快(ふゆかい)
意味:楽しくないこと。気に入らないこと。(出典:大辞林 第三版)
・邪魔(じゃま)
意味:さまたげること。さまたげになるさま。(出典:大辞林 第三版)
・煩わしい(わずらわしい)
意味:心を悩ましてうるさい。(出典:デジタル大辞泉)
・忌まわしい(いまわしい)
意味:嫌な感じである。不愉快である。(出典:デジタル大辞泉)