慈悲
「慈悲の心」などのように使う「慈悲」という言葉。
「慈悲」は、音読みで「じひ」と読みます。
「慈悲」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「慈悲」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
慈悲の意味
「慈悲」には次の意味があります。
・いつくしみ、あわれむ心。また、情け深いこと。 (出典:大辞林 第三版)
「慈悲」は、もともと仏法用語であり「仏が人々をあわれみ、楽しみを与え、苦しみを取り除くこと」という意味の言葉ですが、転じて「いつくしみ、あわれむこと」という意味で使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・やつれた顔が、必死に慈悲を願っていた。
(出典:ハメット/砧一郎訳『ガラスの鍵』)
・彼の手中に落ちては、援助も慈悲も求めようがないことは明らかだった。
(出典:バローズ/小笠原豊樹訳『火星の大元帥カーター』)
・激しい苦痛から一時的にでもかれらを救ってやろうという慈悲の行為だ。
(出典:高千穂遙『クラッシャージョウシリーズ外伝02 ドルロイの嵐』)
・時々は旦那のような金のある慈悲深い方がおいで下さいませんではね。
(出典:ユゴー・ヴィクトル『レ・ミゼラブル』)
・何よりも大切なのは、へりくだる心と慈悲心でなければならない。
(出典:下村湖人『次郎物語』)
類語
・善行(ぜんこう)
意味:よい行い。道徳にかなった行為。(出典:デジタル大辞泉)
・仁慈(じんじ)
意味:思いやりがあって情け深いこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・情け(なさけ)
意味:人間味のある心。他人をいたわる心。(出典:デジタル大辞泉)
・哀れみ(あわれみ)
意味:かわいそうに思う心。慈悲。同情。(出典:デジタル大辞泉)
・温情(おんじょう)
意味:穏やかで思いやりのあるやさしい心。情け深い心。(出典:大辞林 第三版)