他人
「他人の振り」などのように使う「他人」という言葉。
「他人」は、音読みで「たにん」と読みます。
「他人」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「他人」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
他人の意味
「他人」には次の三つの意味があります。
1 自分以外の人。ほかの人。
2 血のつながりのない人。親族でない人。
3 その事柄に関係のない人。第三者。 (出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
他人の意味①「自分以外の人。ほかの人。」
「他人」の一つ目の意味は「自分以外の人。ほかの人。」です。
漢字の通り「他の人」という意味です。
「自分ではない他の人」という広い意味で使います。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・自分の書くものに他人を照す力があるというのが不思議でならない。
(出典:阿部次郎『三太郎の日記 第三』)
・夫は決して他人に恨みを買う様な事はなかった事。
(出典:大阪圭吉『花束の虫』)
・わたしたちの気もちを容易に他人に伝えることはできない。
(出典:芥川竜之介『十本の針』)
他人の意味②「血のつながりのない人。親族でない人。」
「他人」の二つ目の意味は「血のつながりのない人。親族でない人。」です。
この意味では「血縁ではない人」という狭い意味で使います。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・ママとあなたは他人のようになってしまうとも知れません。
(出典:岡本かの子『母と娘』)
・親兄弟との縁薄く、早くより他人の中にて苦労する者が多い。
(出典:織田作之助『六白金星』)
・父は赤ン坊が他人ならぬ私の手に渡ったので、いくらかは安心していた。
(出典:甲賀三郎『愛の為めに』)
他人の意味③「その事柄に関係のない人。第三者。」
「他人」の三つ目の意味は「その事柄に関係のない人。第三者。」です。
「あることに直接関係していない人」という意味です。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・そんな所まで他人が想像をしたり口を出したりしていいものかどうかもわたしわかりません。
(出典:有島武郎『或る女』)
・二、三日後にワルシャワを占領する者も、また彼らには他人であった。
(出典:菊池寛『勲章を貰う話』)
・誰一人として、他人のつくった組織のためにぼろぼろになってほしくなかった。
(出典:チャペック・カレル『RUR』)