棒に振る
「そんなつまらないことで人生を棒に振るのはごめんだ」などのように使う「棒に振る」という言葉。
「棒に振る」は、重箱読みで「ぼうにふる」と読みます。
「棒に振る」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「棒に振る」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
棒に振るの意味
「棒に振る」には次の意味があります。
・それまで積み重ねてきたものを無にしてしまう。(出典:デジタル大辞泉)
「棒に振る」とは、今までの努力や行いを台無しにしてしまうこと、無駄にしてしまうことを言います。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・他人を信用して生涯を棒に振る冒険は絶対確実な幸福には反するのだ。
(出典:横光利一『欧洲紀行』)
・じっさいにそれを実行に移して、思想のために自分の人生を棒に振る人もいる。
(出典:赤瀬川原平『老人力 全一冊』)
・物欲は旺盛だが、自分のポストを棒に振るような危険な真似はしたくない。
(出典:森村誠一『腐蝕の構造』)
・これじゃ人の思惑気にして、一生棒に振るようで、たまらない気もして来る。
(出典:青島幸男『極楽トンボ』)
・この先二年と言わず、三年でも四年でも、きっと立派に棒に振ることができるだろう。
(出典:森見登美彦『四畳半神話大系』)
類語
・水の泡(みずのあわ)
意味:努力したことがふいになること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・台無し(だいなし)
意味:ひどく汚れたり傷んだりして、役に立たなくなること。物事がすっかりだめになること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・無駄骨折り(むだぼねおり)
意味:苦労したことがなんの役にも立たないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・元も子もない(もともこもない)
意味:元金も利息もない。損をして何もかもない。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・徒労(とろう)
意味:無駄なことに力を費やすこと。また、骨を折ってしたことが報われないさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)