亀の甲より年の功
「さすがは亀の甲より年の功と言ったところだ」などのように使う「亀の甲より年の功」という言葉。
「亀の甲より年の功」は、「かめのこうよりとしのこう」と読みます。
「亀の甲より年の功」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「亀の甲より年の功」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
亀の甲より年の功の意味
「亀の甲より年の功」には次の意味があります。
・年長者は、長年経験を積んでいるだけに、若者には及ばない知恵や技能がある。さすが年長者だけのことはあると、称賛することば。(出典:ことわざを知る辞典)
江戸中期から用例があり、現在もよく使われている言葉です。
「亀の甲」は特に意味のある言葉ではありませんが、「功」との語呂合わせとして長寿の象徴である亀の「甲羅」が引き合いに出されたものです。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・亀の甲より年の功、長兄の生半可な化け方とは違って、堂に入ったものだ。
(出典:森見登美彦『有頂天家族』)
・英語力のはるかに劣っている私が、恋愛詩を正しく理解できたのは、亀の甲より年の功といったところだろうか。
(出典:稲垣美晴『フィンランド語は猫の言葉』)
・しかし、亀の甲より年の功なのか、白亀の楽観的展望の方が当たってしまった。
(出典:霞流一『フォックスの死劇』)
・「亀の甲より年の功、ってね」 なんだかよくわからなかったが、なんとなく嬉しくなった。カメに似てるね。
(出典:北野勇作『かめくん』)
・しかし、その中でもさすがは亀の甲より年の功、綾ねぇが思案顔で打開策の糸口を見つけ出す。
(出典:竹井10日『10歳の保健体育 1』)
類語
・一日の長(いちじつのちょう)
意味:他人より少し年上であること。転じて、経験や知識、技能などが他の人より少しすぐれていること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・老いたる馬は路を忘れず(おいたるうまはみちをわすれず)
意味:道に迷ったときは、老馬を放ってそのあとをついて行けば道に出るものだ。経験を積んだ者は、行うべき道を誤らないことのたとえ。老馬の智。(出典:デジタル大辞泉)
・年季が入る(ねんきがはいる)
意味:長い間修練を積んで確かな腕をしている。(出典:デジタル大辞泉)
・酸いも甘いも噛み分ける(すいもあまいもかみわける)
意味:人生経験が豊かで人の心の機微や世間の事情によく通じている。酸いも甘いも知っている。(出典:デジタル大辞泉)
・百戦錬磨(ひゃくせんれんま)
意味:たびたび戦ったり、経験を積んだりして、錬りみがき、鍛えあげられること(出典:精選版 日本国語大辞典)