嵐
「嵐が来る」などのように使う「嵐」という言葉。
「嵐」は、訓読みで「あらし」と読みます。
「嵐」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「嵐」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
嵐の意味
「嵐」には次の二つの意味があります。
1 荒く激しく吹く風。雨・雪・雷を伴う場合にもいう。暴風。暴風雨。
2 激しく乱すもの。また、事態や社会を揺るがす重大事。(出典:小学館デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
嵐の意味①「荒く激しく吹く風。雨・雪・雷を伴う場合にもいう。暴風。暴風雨。」
「嵐」の一つ目の意味は「 荒く激しく吹く風。雨・雪・雷を伴う場合にもいう。暴風。暴風雨。」です。
いわゆる地球上に発生する高気圧、低気圧その他自然の条件が絡み合って起こるもので、時には生命の危機となってしまう大雨や風、雷や大雪が発生する自然現象です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・嵐の話になって婆さんは古い記憶の中から恐ろしくも凄かった嵐を語る。
(出典:寺田寅彦『嵐』)
・嵐のひどい夜にわざと用を作って使に出しても、いやな顔すらしないのです。
(出典:浜尾四郎『悪魔の弟子』)
・薄暗くなって行く中を嵐と雪との中にまじって狂うように駆けて行く。
(出典:水野葉舟『遠野へ』)
・今にも嵐になりさうな空の下を悲痛に叩きつけられた巨人が歩いてゐた。
(出典:原民喜『鎮魂歌』)
・恐竜は、嵐のような息をはいて、人間どもにおそいかかったのであった。
(出典:海野十三『恐竜島』)
類語
・台風(たいふう)
意味:北太平洋西部の熱帯海上、北緯5~20度付近で発生し、最大風速が毎秒17.2メートル以上の熱帯低気圧。(出典:デジタル大辞泉)
・荒天(こうてん)
意味:荒れた空模様。風雨の激しい天候。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・時化(しけ)
意味:風雨のために海が荒れること。(出典:小学館デジタル大辞泉)
・メイストーム
意味:五月頃、日本海に発達する温帯低気圧。(出典:精選版 日本国語大辞典)
嵐の意味②「激しく乱すもの。また、事態や社会を揺るがす重大事」
「嵐」の二つ目の意味は「激しく乱すもの。また、事態や社会を揺るがす重大事」です。
分かりやすく言うと「非難の嵐」「喝采の嵐」のように、その場や、人の心情などを乱してしまうもののことです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・暗い時代の嵐から彼が逃げ込むようにするところも、その自分の家であった。
(出典:島崎藤村『夜明け前』)
・少年はこれらの怒りの言葉の嵐をじっと頭をたれて耐えた。
(出典:きだ・みのる『道徳を否む者』)
・今度も人々は嵐のように彼女の名を呼んだ。四たび彼女は現われた。
(出典:アンデルセン/神西清訳『即興詩人(上)』)
類語
・波瀾(はらん)
意味:激しい変化や曲折のあること。また、そうした事態。騒ぎ・もめごとなど。(出典:デジタル大辞泉)
・騒動(そうどう)
意味:多人数が騒ぎたてて秩序が乱れること。(出典:デジタル大辞泉)
・事変(じへん)
意味: 天変地異や突発的な騒動などの、非常の出来事。変事。(出典:デジタル大辞泉)
・激動(げきどう)
意味:はげしくゆれうごくこと。特に、状況・情勢などがめまぐるしく変化すること。(出典:デジタル大辞泉)