黙殺
「意見を黙殺する」などのように使う「黙殺」という言葉。
「黙殺」は、音読みで「もくさつ」と読みます。
「黙殺」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「黙殺」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
黙殺の意味
「黙殺」には次の意味があります。
・知っていながら問題にしないで無視すること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
人の意見や考え、主義・主張などについて、ないもののようのに扱うことを「黙殺する」と言います。
知っていながら無視しているという点において、無視に比べて、やや手厳しい印象を与える言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・市川はこの時、自分の中の世間の眼を黙殺し、自分にこういい聞かせた。
(出典:川上宗薫『流行作家』)
・ロシアの地主に対するそんな言いがかりを僕は黙殺するわけにはいかない。
(出典:ドストエフスキー/中山省三郎訳『白痴(下)』)
・その発見から十余年間、彼の仕事は日本国内で無視され、黙殺されたのである。
(出典:飯沼和正『あるのかないのか? 日本人の創造性』)
・学校へも行かず、日常の規則を無視し、生活にみなぎる声を黙殺した。
(出典:秋山駿『人生の検証』)
・さんざん光國の言を黙殺してきたくせに、今さら次第もくそもなかった。
(出典:冲方丁『光圀伝』)
類語
・無視(むし)
意味:存在価値を認めないこと。また、あるものをないがごとくみなすこと。(出典:デジタル大辞泉)
・度外視(どがいし)
意味:問題にしないこと。無視すること。(出典:デジタル大辞泉)
・軽視(けいし)
意味:軽くみること。軽く考えて、その価値や影響力を認めないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・軽んずる(かろんずる)
意味:軽くみる。価値や意味があるものとしてみない。大切に思わない。(出典:デジタル大辞泉)
・目もくれない(めにもくれない)
意味:少しの関心も示さない。見向きもしない。(出典:デジタル大辞泉)