妬む
「勝者を妬む」などのように使う「妬む」という言葉。
「妬む」は、訓読みで「ねたむ」と読みます。
「妬む」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「妬む」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
妬むの意味
「妬む」には次の二つの意味があります。
1 他人が自分よりすぐれている状態をうらやましく思って憎む。
2 男女間のことで嫉妬(しっと)する。やきもちをやく。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
嫉妬の意味①「他人が自分よりすぐれている状態をうらやましく思って憎む。」
「嫉妬」の一つ目の意味は「他人が自分よりすぐれている状態をうらやましく思って憎む。」です。
相手を羨み、憎むという意味で使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・だから俺への妬みや怒りを、今はただ増幅させているに違いないだろう。
(出典:日明恩『埋み火』)
・しかし父親が実の息子を妬むというようなことが、実際にあるものだろうか?
(出典:村上春樹『1Q84 BOOK1』)
・しかもこの娘は百万もの財産があるから、それを夫人は妬んでいるのだ、と。
(出典:スタンダール/大久保和郎訳『パルムの僧院(下)』)
・もし彼らとおなじ立場に居たら、物書きとなった仲間を妬んだだろう。
(出典:高橋克彦『蒼い記憶』)
類語
・やっかむ
意味:うらやむ。ねたむ。主に関東地方で用いる。(出典:大辞林 第三版)
・嫉む(そねむ)
意味:嫉妬する。ねたむ。 (出典:大辞林 第三版)
・羨慕(せんぼ)
意味:うらやみ、したうこと。(出典:デジタル大辞泉)
・気疎い(きょうとい)
意味:見たり聞いたりするのがいとわしい。(出典:デジタル大辞泉)
妬むの意味②「男女間のことで嫉妬(しっと)する。やきもちをやく。」
「妬む」の二つ目の意味は「男女間のことで嫉妬(しっと)する。やきもちをやく。」です。
主に、好意を寄せる相手が別の人とより仲良くしている時などに使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・「私は決して妬んでいるのではない」と驚いて彼女は自ら強く肯定した。
(出典:豊島与志雄『湖水と彼等』)
・まだ見ぬ相手に、富子は好奇心と軽い妬みを感じているようである。
(出典:渡辺淳一『ひとひらの雪(上)』)
・抑え切れない怨みと妬みとがつむじのように彼女の胸にうずまいて起った。
(出典:岡本綺堂『番町皿屋敷』)
・他に走つたからというて、嫉み妬むのならば、それは自己の愛である。
(出典:出口王仁三郎『三鏡 『水鏡』『月鏡』『玉鏡』 kgm 3 20070907』)
類語
・悋気(りんき)
意味:男女間のことなどでやきもちをやくこと。(出典:デジタル大辞泉)
・嫉視(しっし)
意味:ねたみ憎む気持ちで見ること。(出典:デジタル大辞泉)
・焼餅(やきもち)
意味:嫉妬。ねたみ。(出典:デジタル大辞泉)
・劣等感(れっとうかん)
意味:自分が他人より劣っているという感情。(出典:デジタル大辞泉)