慄然
「その事実に慄然とする」などのように使う「慄然」という言葉。
「慄然」は、音読みで「りつぜん」と読みます。
「慄然」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「慄然」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
慄然の意味
「慄然」には次の意味があります。
・恐れおののくさま。恐ろしさにぞっとするさま。(出典:デジタル大辞泉)
つまり、「慄然」とは「恐れ、戦慄するさま」を意味します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・しかし風が完全に吹きやむときのことを思うと、わたしたちは慄然とした。
(出典:ポー/八木敏雄訳『ポオのSF 第1巻』)
・そういう思考を自然とする男なのだということを改めて理解し、慄然となった。
(出典:冲方丁『光圀伝』)
・それがほのめかす慄然たる極悪な類似物が、はっきりとわかったからだ。
(出典:ラヴクラフト『ラヴクラフト全集4-7 狂気の山脈にて』)
・これは悪い冗談だけれども、冗談であるだけに、私をほとんど慄然とさせる。
(出典:別役実『犯罪症候群』)
・自分が彼に支配されすぎる危険、皆がこれに心付いて居るのを知り慄然とした。
(出典:宮本百合子『日記』)
類語
・恟恟(きょうきょう)
意味:おそれおののくさま。どきどき。びくびく。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・戦戦恐恐(せんせんきょうきょう)
意味:おそれて、びくびくするさま。おそれつつしむさま。(出典:デジタル大辞泉)
・総毛立つ(そうけだつ)
意味:恐怖や寒さなどのために、全身の毛が逆立つ。身の毛がよだつ。(出典:デジタル大辞泉)
・身の毛がよだつ(みのけがよだつ)
意味:恐怖のために、身の毛が逆立つ。ぞっとする。身の毛立つ。(出典:デジタル大辞泉)
・寒心(かんしん)
意味:恐れや不安の念で、ぞっとすること。(出典:デジタル大辞泉)