寿限無
「まるで寿限無だ」などのように使う「寿限無」という言葉。
「寿限無」は、音読みで「じゅげむ」と読みます。
「寿限無」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「寿限無」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
寿限無の意味
「寿限無」には次の意味があります。
・落語。子供の幸福を願って住職にいろいろ書いてもらった名前を全部つけてしまい、「寿限無寿限無」に始まる長い名前となったおかしさを主題とする。(出典:デジタル大辞泉)
寿限無というタイトルの落語です。子供に「寿限無寿限無、五劫のすり切れ、海砂利水魚の水行末、雲行末、風来末、食う寝るところに住むところ、やぶら小路ぶら小路、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの長久命、長久命の長助」という長い名前をつけた可笑しさが主題です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・「寿限無」 あの、子供に長い長い名前をつけてもらって困る噺。
(出典:正岡容『寄席』)
・むろん寿限無といえば、文字通りに寿に限りが無いことだから、長名が長命に通じるというのでつけた名前である。
(出典:種村季弘『迷信博覧会』)
・この前、お話した「寿限無」も、同じように寿限無の名前を何度も何度も言うわけで、面白くないと言えば面白くないんだけど、面白いと言えば面白いという、非常に単純なものの繰り返しの中にある。
(出典:斎藤栄『ミステリーを書いてみませんか』)
・こりゃ珍しいな、和尚さん、スチュワーデスの名前にも、寿限無なんてなあ、ありませんぜ。
(出典:深田祐介『スチュワーデス物語』)
・なるほどォ死ぬときがねえなんざうれしいねェ、寿限無か、こりゃァいいや、もうほかにはありませんか?
(出典:麻生芳伸編『落語百選 秋』)
類語
・落語(らくご)
意味:演芸の一つ。滑稽を主とした話芸で、終わりに落ちのあるもの。江戸初期の安楽庵策伝に始まるという。元祿時代(一六八八‐一七〇四)に京都の露ノ五郎兵衛、江戸の鹿野武左衛門が話芸として確立し、天明年間(一七八一‐八九)江戸の烏亭焉馬(うていえんば)によって盛んとなり、三遊派・柳派の二派から多くの名人を輩出、幕末・明治初期に三遊亭円朝が出て江戸落語を集大成する。軽口(かるくち)ばなし。おとしばなし。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・五劫(ごこう)
意味:(劫(こう)の五倍の意。計り知れないほどのきわめて長い時間をいう) 仏語。阿彌陀仏が法蔵菩薩のとき、自らの誓いについて思惟した、その時間のこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・長介(ちょうすけ)
意味:寺の長老に対して寺男を俗にいう語。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・上方(かみがた)
意味:都、また、その方面。現在では関東地方から京阪地方をさしていうが、古くは、大坂からは京都を、諸地方からは京坂地方を広くさした。(出典:精選版 日本国語大辞典)