写実
「克明に写実する」などのように使う「写実」という言葉。
「写実」は、音読みで「しゃじつ」と読みます。
「写実」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「写実」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
写実の意味
「写実」には次の意味があります。
・物事をありのままに描写すること。(出典:デジタル大辞泉)
「克明に写実する」は「克明にありのまま描写する」という意味です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・或る人々は写実でなくてもう一つ別の芸術境であるといいたいのである。
(出典:岸田劉生『想像と装飾の美』)
・しかし写実がやや表面に流れているという非難は避けることができない。
(出典:和辻哲郎『古寺巡礼』)
・それは写実に進んでいっても、ある程度の成功を収められるかも知れぬ。
(出典:芥川龍之介『藪の中・将軍』)
・人形が今のように写実になったのは、わが邦でもそう古いことではない。
(出典:柳田国男『こども風土記』)
・そんなことで将来はただ写実一方で行こうと思う気持を強められたわけだ。
(出典:ゲーテ/高橋義孝訳『若きウェルテルの悩み』)
類語
・活写(かっしゃ)
意味:物事のありさまを生き生きと描き出すこと。(出典:デジタル大辞泉)
・写生(しゃせい)
意味:景色や事物のありさまを見たままに写し取ること。絵のほかに、短歌・俳句・文章についてもいう。スケッチ。(出典:デジタル大辞泉)
・スケッチ
意味:写生。写生画。また、鉛筆やコンテなどで短時間に大体の形を描くこと。素描。またその絵。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・記録(きろく)
意味:将来のために物事を書きしるしておくこと。また、その書いたもの。現在では、文字に限らず、映像や音声、それらのデジタルデータも含んでいう。(出典:デジタル大辞泉)
・筆耕(ひっこう)
意味:写字や清書で報酬を得ること。また、その人。(出典:デジタル大辞泉)