筆舌
「筆舌に尽くしがたい」などのように使う「筆舌」という言葉。
「筆舌」は、音読みで「ひつぜつ」と読みます。
「筆舌」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「筆舌」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
筆舌の意味
「筆舌」には次の意味があります。
・文章に書くことと、口で言うこと。文章と言葉。(出典:デジタル大辞泉)
「筆舌」をわかりやすく言うと、「書くことと話すこと」という意味になります。
「筆舌に尽くしがたい」は「言葉では表現できない」という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ その人の姿かたちを口にするときの様子は実に筆舌に尽しがたいんだ。
(出典:ゲーテ/高橋義孝訳『若きウェルテルの悩み』)
・ココナスと二人の女は筆舌につくしがたい恐怖を感じて目を合わせた。
(出典:アレクサンドル・デュマ/鹿島茂『編訳 王妃マルゴ(下)』)
・ それらはどれも、筆舌に尽くしがたい素晴らしい芸術品ばかりであった。
(出典:二階堂黎人『奇跡島の不思議』)
・ 文学が筆舌的なものと化する堕落についても新しく感じました。
(出典:宮本百合子『獄中への手紙』)
・ ぬめっこさの舌ざわりとかすかな香りは筆舌の及ばぬものがある。
(出典:宮脇俊三『汽車旅12カ月』)
類語
・筆舌に尽くしがたい(ひつぜつにつくしがたい)
意味:文章や言葉で十分に表現しきれない。物事の程度が甚だしいことをいう。(出典:大辞林 第三版)
・形容(けいよう)
意味: 物事の姿・性質・ありさまなどを言い表すこと。また、他のものにたとえて表現すること。(出典:デジタル大辞泉)
・意を尽くす(いをつくす)
意味:考えをすべて言い表す。また、よくわかるように丁寧に言う。(出典:デジタル大辞泉)
・表記(ひょうき)
意味:文字や記号を用いて書き表すこと。(出典:デジタル大辞泉)
・口の端に掛ける(くちのはしにかける)
意味:言葉のはしばしにのぼらせる。口に出して言う。(出典:大辞林 第三版)