カリカチュア
「カリカチュアを描く」などのように使う「カリカチュア」という言葉。
英語では「caricature」と表記します。
「カリカチュア」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「カリカチュア」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
カリカチュアの意味
「カリカチュア」には次の意味があります。
・特徴を誇大に表現して、滑稽さをもたせた肖像等の絵。風刺画。戯画。漫画。ポンチ絵。また、比喩的に風刺的な表現一般をいう。カリカチュール。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「カリカチュア」とはつまり、「対象の特徴を大げさに強調して描く風刺画」という意味です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・上手なカリカチュアは実物よりも以上に実物の全体を現わしているから。
(出典:寺田寅彦『自画像』)
・愛を口にして、隣人の運命に不注意な文士のカリカチュアを描く気です。
(出典:倉田百三『青春の息の痕』)
・カリカチュアといって、私は何も悪い意味での戯画を考えているのではない。
(出典:吉田秀和『世界の指揮者』)
・しかも彼の心理観察の周密は常に描写のカリカチュアに堕するのを救う。
(出典:和辻哲郎『生きること作ること』)
・彼はネロやカリギユラのような古代ローマの暴君のカリカチュアだった。
(出典:田中芳樹『薬師寺涼子の怪奇事件簿5 黒蜘蛛島』)
類語
・戯画(ぎが)
意味:戯れに描いた絵。また、誇張したり風刺を交えたりして描いたこっけいな絵。ざれ絵。カリカチュア。(出典:デジタル大辞泉)
・ポンチ絵(ぽんちえ)
意味:風刺や寓意を込めた、こっけいな絵。漫画。(出典:デジタル大辞泉)
・滑稽画(こっけいが)
意味:見る人に笑いや意外さを引き起こさせる絵。諧謔(かいぎゃく)、機知、ユーモアなどに富んだ絵。戯絵(おどけえ)。道化絵(どうけえ)。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・デフォルマシオン
意味:対象や素材となる自然の形を表現者の主観によって変えて表現すること。また、その技法。特に構成を重視する近代の絵画や彫刻で一つの表現方法として確立した。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・デフォルメ
意味:デフォルマシオンの技法により、対象を変形して表現すること。(出典:デジタル大辞泉)