宵越し
「宵越しの金」などのように使う「宵越し」という言葉。
「宵越し」は、訓読みで「よいごし」と読みます。
「宵越し」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「宵越し」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
宵越しの意味
「宵越し」には次の意味があります。
・前夜から次の日まで持ち越すこと。(出典:デジタル大辞泉)
「宵越しの金は持たない」は「その日に稼いだ金は、その日に使い切る」という意味の言葉で、江戸っ子の気風(きっぷ)の良さを表します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・あの時代には、宵越しの金など持たぬが江戸っ児の意気じゃった。
(出典:泡坂妻夫『毒薬の輪舞』)
・宵越しの銭など持つヤツは、ろくでもねえ野郎とイキがったのだ。
(出典:西沢爽『雑学猥学』)
・あけっぱなしの窓から、きまりわるそうに、宵越しの空気が匐いだしてきた。
(出典:リルケ/星野慎一訳『マルテの手記』)
・胃の腑に残っている宵越しの不消化物をペッペッと吐いた。
(出典:谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』)
・宵越しの情報なんか持ってられないって気持がないとね。
(出典:赤瀬川原平『老人力 全一冊』)
類語
・深夜(しんや)
意味: よふけ。まよなか。深更。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・一夜(ひとよ)
意味:日暮れから次の日の夜明けまで。ひと晩。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・夜通し(よどおし)
意味:夜の間ずうっとすること。一晩中。(出典:デジタル大辞泉)
・夜分(やぶん)
意味:よなか。よる。夜間。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・通暁(つうぎょう)
意味:夜を通して暁に至ること。夜どおし。徹夜。(出典:精選版 日本国語大辞典)