暗喩
「暗喩表現」などのように使う「暗喩」という言葉。
「暗喩」は、音読みで「あんゆ」と読みます。
「暗喩」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「暗喩」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
暗喩の意味
「暗喩」には次の意味があります。
・修辞法の一種。事物をたとえていう場合に「…のようだ」「…の如し」「…に似たり」などの語を使わないで、直接にたとえるものと、たとえられるものを結びつける比喩法。「海山の恩」「花の顔(かんばせ)」「顔に波をたたむ」などの類。隠喩(いんゆ)。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「暗喩表現」は「直接にたとえる表現」と言い換えることができます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・日が暮れるというのを、往生すなわち死ぬことの暗喩だと解釈してみます。
(出典:有栖川有栖『朱色の研究』)
・ただわかったのは、自分もまた金をなにかの暗喩にして生きているということだった。
(出典:柳美里『女学生の友』)
・これから先、わたしたちはいつもこの暗喩にさいなまれなければならないだろう。
(出典:荒俣宏『別世界通信』)
・彼女はあるいは長い廊下の暗喩としてマルセル・プルーストを引用したのかもしれなかった。
(出典:村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 1』)
・散見する事実はそんな疑念を抱かせるに充分な暗喩を含んでいる。
(出典:京極夏彦『魍魎の匣』)
類語
・隠喩(いんゆ)
意味:比喩法の一。「…のようだ」「…のごとし」などの形を用いず、そのものの特徴を直接他のもので表現する方法。「花のかんばせ」「金は力なり」の類。暗喩。隠喩法。メタファー。(出典:デジタル大辞泉)
・メタファー
意味:(metaphor)⸨メタフォル⸩ ある名辞の元の概念から、よく似てはいるが別の概念に変えて、その名辞を使う比喩的表現。隠喩。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・アイロニー
意味:軽い皮肉を含んだ逆説的な表現。皮肉。風刺。反語。イロニー。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・比喩(ひゆ)
意味:ある物事を、類似または関係する他の物事を借りて表現すること。たとえ。→比喩法(出典:デジタル大辞泉)
・明喩(めいゆ)
意味:あきらかなたとえ。はっきりそれとわかるたとえ。(出典:精選版 日本国語大辞典)