火の車
「我が家の家計は火の車だ」などのように使う「火の車」という言葉。
「火の車」は、読みで「ひのくるま」と読みます。
「火の車」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「火の車」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
火の車の意味
「火の車」には次の意味があります。
・家計が非常に苦しいこと。生計のやりくりに苦しむこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
地獄にあって火が燃えているという車という意味もありますが、現代では上記の意味で使うことがほとんどです。ちなみに生前悪事を犯した者を乗せて地獄に運ぶ車だそうです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・藩の財政は火の車だったし、この上もないいい口実ができたわけである。
(出典:滝口康彦『拝領妻始末』)
・内実は火の車とまではいわないけど、そうとうお苦しみというところさ。
(出典:横溝正史『金田一耕助全集 [金田一耕助ファイル20] 横溝正史 「病院坂の首縊りの家 下」』)
・仕事をしないで、酒ばかりくらっているから、家のなかは火の車だ。
(出典:横溝正史『人形佐七捕物帳 8』)
・給料は多かったし、領地も大きかったのに、暮しはいつも火の車だった。
(出典:トルストイ/北垣信行訳『トルストイ民話集1「イワンの馬鹿」』)
・漁協の台所は火の車の状態だったと言えるだろう。
(出典:平田剛士『漁民解体』)
類語
・貧者(ひんじゃ)
意味:貧乏な者。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・世知辛い(せちがらい)
意味:世渡りがむずかしい。暮らしにくい。(出典:デジタル大辞泉)
・無一文(むいちもん)
意味:一文の銭もないこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・裸一貫(はだかいっかん)
意味: 資本や財力などがまったくなくて、自分の身一つであること。無一物なこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・窮迫(きゅうはく)
意味:追いつめられて、どうにもならなくなること。さしせまって、処置や生活などに困りはてること。(出典:精選版 日本国語大辞典)