ゆくりなく
「ゆくりなく出会う」などのように使う「ゆくりなく」という言葉。
「ゆくりなく」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「ゆくりなく」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
ゆくりなくの意味
「ゆくりなく」には次の意味があります。
・思いがけなく。突然に。(出典:デジタル大辞泉)
「ゆくりなく」は形容詞「ゆくりなし」の連用形からきています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・都からさまよひ來つた若い歌人がゆくりなくもその同じ船に乘り合はす。
(出典:蒲原有明『創始期の詩壇』)
・いま、ゆくりなくも鴎外はそれをかつて実在した人物のなかに見出した。
(出典:臼井吉見『大正文学史』)
・ゆくりなくベルギー警察にちょっとした贈り物ができたと思ったからだ。
(出典:シムノン/水谷準訳『サン・フォリアン寺院の首吊り人』)
・ゆくりなくも、彼の胸には源平の昔のことが思い浮かんでいた。
(出典:海音寺潮五郎『天と地と(四)』)
・私は此の異域でゆくりなく此の厚意に接して感激する外はなかつた。
(出典:浜田青陵『埃及雑記』)
類語
・生憎(あいにく)
意味:(「と」を伴っても用いる) 具合の悪いことに。おりあしく。あいにく。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・図らずも(はからずも)
意味:思いもかけず。意外にも。(出典:デジタル大辞泉)
・不慮(ふりょ)
意味:予測がつかず思いがけないこと。不意であること。また、そのさま。意外。心外。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・思わず(おもわず)
意味:思いがけず。意外なことに。(出典:デジタル大辞泉)
・存外(ぞんがい)
意味:物事の程度などが、予想と食い違うこと。また、そのさま。意外。案外。(出典:精選版 日本国語大辞典)