肉声
「肉声のような歌声」などのように使う「肉声」という言葉。
「肉声」は、音読みで「にくせい」と読みます。
「肉声」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「肉声」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
肉声の意味
「肉声」には次の意味があります。
・ 肉体から出る声。マイク、電話などの機械を通して出る声に対して、人間の口から直接発せられる音声。(出典:精選版 日本国語大辞典)
人工的につくりだされた機械などの音声に対して、人の出す声のことを指す場合もあります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・その言葉づかいには、私はどうしても妻の肉声を感じざるを得なかった。
(出典:川島誠『もういちど走り出そう』)
・だが、彼は孫たちが大きくなる前に唯一の肉声をのこして死んでしまった。
(出典:李成『砧をうつ女』)
・そのかわり機械は機械でいくら完全に近くなつても決して肉声そのものではない。
(出典:伊丹万作『雑文的雑文』)
・そして、まさにそのゆえに、それは肉声が歌うように聞こえるのである。
(出典:小林秀雄『モオツァルト』)
・だから舞台の上で人間的に魅力のある美しい肉声というものが稀にしかきかれなくなつた。
(出典:岸田国士『俳優と現代人の生活(対話V)』)
類語
・地声(じごえ)
意味:その人が生まれつき持っている声。(出典:デジタル大辞泉)
・発声(はっせい)
意味:声を出すこと。(出典:デジタル大辞泉)
・美声(びせい)
意味:美しい声。(出典:デジタル大辞泉)
・人声(じんせい)
意味:人の声。(出典:デジタル大辞泉)