天地無用
「天地無用の荷物」などのように使う「天地無用」という言葉。
「天地無用」は、音読みで「てんちむよう」と読みます。
「天地無用」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「天地無用」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
天地無用の意味
「天地無用」には次の意味があります。
・荷物、貨物などの包装の外側に記す語で、破損の恐れがあるため上下をさかさまにして取り扱ってはいけないという意味の注意。(出典:精選版 日本国語大辞典)
デリケートな取り扱いが求められる荷物などに対して使われる言葉です。
文化庁が発表した平成25年度「国語に関する世論調査」では、本来の意味とされる「上下を逆にしてはいけない」で使う人が55.5パーセント、本来の意味ではない「上下を気にしないでよい」で使う人が29.2パーセントという結果が出ています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・天地無用の荷物は毎日あるってわけじゃないけど、あって当然のものだからだ。
(出典:香月日輪『妖怪アパートの幽雅な日常4』)
・また、最近では、天地無用の代わりに、英語で “up” と書かれているのを見かけることがあります。
(出典:山崎紀美子『やりなおし基礎英語』)
・パンツにはそれぞれ、「誇大広告」と「天地無用」と書かれてある。
(出典:森見登美彦『有頂天家族』)
・天地無用とは、本来「逆さまにしてはならない」という意味で用いられる。
・天地無用の荷物はいくつかあった。
類語
・取扱注意(とりあつかいちゅうい)
意味:壊れやすい荷物などに貼って運送・配達の際に大切に慎重に扱うよう促す札の文言。(出典:実用日本語表現辞典)
・特記(とっき)
意味:重要な事柄として、特別に書き記すこと。特筆。(出典:デジタル大辞泉)
・this side up
意味:この面を上に、の意。(出典:Weblio 英和辞典・和英辞典)
・壊れ物(こわれもの)
意味:陶器、ガラスなど、こわれやすい物。(出典:デジタル大辞泉)