骸
「死んでしまえば、みな骸になる」などのように使う「骸」という言葉。
「骸」は、訓読みで「むくろ」、音読みでは「がい」と読みます。
「骸」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「骸」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
骸の意味
「骸」には次の意味があります。
・骨。また、身体。なきがら。(出典:精選版 日本国語大辞典)
骨組みだけ残った死体や、死人の体を指します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・生きていれば何をするやもしれぬこの男も、死んでしまえばただの骸。
(出典:高千穂遙『美獣 神々の戦士』)
・しかし、真実を知る者はこの像が女神の骸に他ならないことを知っている。
(出典:水野良『ロードス島戦記 7 ロードスの聖騎士(下)』)
・それらの中に、ただひとつだけ、猫のものでない骸を収めた檻があった。
(出典:秋山瑞人『猫の地球儀 その1 焔の章』)
・牛を殺めたのならここにあるのは牛の骸でなくてはなりますまい。
(出典:京極夏彦『鉄鼠の檻』)
・ぼくらはそうやってまあちゃんの骸のそばに一時間近くも座っていた。
(出典:原田宗典『家族それはヘンテコなもの』)
類語
・遺骸(いがい)
意味:死後に残るしかばね。死骸。なきがら。むくろ。いがい。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・亡骸(なきがら)
意味:死んで魂のぬけてしまった肉体。死んだ人間のからだ。しかばね。死骸。死体。現代では死体や遺骨を敬っていう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・遺体(いたい)
意味:死んだ人のからだ。なきがら。死体。遺骸。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・屍(かばね)
意味:死体。また、死体の骨。しかばね。なきがら。(出典:デジタル大辞泉)
・屍蝋(しろう)
意味:蝋様に変化した死体。死体が水中や水分の多い土中にあって空気との接触を断たれると、脂肪酸ができて、これがカルシウムやマグネシウムと結合して水にとけない石鹸様、チーズ様、石膏様などになり、長くその原形が保たれる。(出典:精選版 日本国語大辞典)