アイロニー
「社会へのアイロニー」などのように使う「アイロニー」という言葉。
英語では「irony」と表記します。
「アイロニー」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「アイロニー」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
アイロニーの意味
「アイロニー」には次の意味があります。
・皮肉。あてこすり。(出典:デジタル大辞泉)
「社会へのアイロニー」で「社会への皮肉」になります。
「irony」の語源はギリシア語の「ironic」で「知らないふりをする」という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・アイロニーとユーモアが、おのずからそこに生まれてくるだろう。
(出典:安部公房『飢餓同盟』)
・こういう矛盾が、客観的に見れば、歴史のアイロニーというものでござりましょう。
(出典:山田風太郎『魔群の通過』)
・僕はまた感情という自分の重みで蹴爪付きそうな彼女を、運命のアイロニーを解せざる詩人として深く憐むのである。
(出典:夏目漱石『彼岸過迄』)
・私はその笑いのうちに、ちっとも意地の悪いアイロニーを認めなかった。
(出典:夏目漱石『こゝろ』)
・多少アイロニーを含めてもいるんですけれども、学校時代に作文の点がいいなんていう人は、あまり小説家に向いてないだろう。
(出典:斎藤栄『ミステリーを書いてみませんか』)
類語
・嫌み(いやみ)
意味:人に不快な思いを与える言動。あてつけや皮肉。(出典:デジタル大辞泉)
・風刺(ふうし)
意味:他のことにかこつけるなどして、社会や人物のあり方を批判的・嘲笑的に言い表すこと。(出典:大辞林 第三版)
・嘲笑(ちょうしょう)
意味:あざわらうこと。相手を見下したりばかにしたりした笑い。 (出典:大辞林 第三版)
・揶揄(やゆ)
意味:からかうこと。なぶること。(出典:デジタル大辞泉)
・皮肉(ひにく)
意味:遠まわしに意地悪く相手を非難すること。(出典:デジタル大辞泉)