紙一重
「馬鹿と天才は紙一重」などのように使う「紙一重」という言葉。
「紙一重」は、訓読みで「かみひとえ」と読みます。
「紙一重」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「紙一重」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
紙一重の意味
「紙一重」には次の意味があります。
・紙一枚の厚さほどの、わずかの違い。(出典:大辞林 第三版)
「紙一重」とは、ほんの少しの違いしかないことを意味します。
よって、「馬鹿と天才は紙一重」とは「天才と馬鹿との間にはわずかな違いしかない」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・学者と異端は紙一重というがここまで極端な女をコニーは見たことがない。
(出典:池上永一『レキオス』)
・すべてが紙一重を距てた向うで行われているような気がした。
(出典:黒島伝治『氷河』)
・こうした恐怖と紙一重の幸福は、選ばれた者だけが味わうものに違いなかった。
(出典:林真理子『不機嫌な果実』)
・ときには、夢と現実とのあいだが、ほんの紙一重のものとなることもあった。
(出典:ミラー/大久保康雄訳『南回帰線(下)』)
・太宰が病者と紙一重で陥ち込んでゆく場所はいつもここだったといってよい。
(出典:吉本隆明『悲劇の解読』)
類語
・聊か(いささか)
意味:数量・程度の少ないさま。(出典:デジタル大辞泉)
・些細(ささい)
意味:取るに足らないさま。(出典:デジタル大辞泉)
・一縷(いちる)
意味:ごくわずか。(出典:大辞林 第三版)
・雀の涙(すずめのなみだ)
意味:非常に少ないことのたとえ。(出典:大辞林 第三版)
・微塵(みじん)
意味:量や程度がごくわずかであること。(出典:デジタル大辞泉)