ばっくれる
「警察からばっくれる」などのように使う「ばっくれる」という言葉。
「ばっくれる」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「ばっくれる」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
ばっくれるの意味
「ばっくれる」には次の二つの意味があります。
1素知らぬ顔をする。
2俗に、逃げる。さぼる。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
ばっくれるの意味①「素知らぬ顔をする。」
「ばっくれる」の一つ目の意味は「素知らぬ顔をする。」です。
「ばっくれる」は「しらばくれる」の変化した言葉だとされています。
「しらばくれる」の”しら”は知らんぷりの”しら”である説と、「あからさまな」という意味を持つ白々しいの”しら”である説とあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・すると、しらばっくれているとでも思ったのか、瞳子ちゃんは鼻で笑った。
(出典:今野緒雪『マリア様がみてる 11 パラソルをさして』)
・ただねえ、白ばっくれていられると我慢がならないんです。
(出典:久生十蘭『金狼』)
・これは横著なのでも、しらばっくれたのでもないと、私は思っていた。
(出典:森鴎外『二人の友』)
・たとえ受けてくれたにしても、しらばっくれられたらそれで終わりじゃない。
(出典:楡周平『フェイク』)
類語
・とぼける
意味: 聞かれたことに対して、わざと知らないふりをする。(出典:デジタル大辞泉)
・無視(むし)
意味:そこに現に存在していることを承知していながら、それを存在しないかのように扱うこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・知らんぷり(しらんぷり)
意味:知っているのに知らないようなそぶりをすること。(出典:デジタル大辞泉)
・白を切る(しらをきる)
意味:わざと知らないふりをする。(出典:デジタル大辞泉)
ばっくれるの意味②「俗に、逃げる。さぼる。」
「ばっくれる」の二つ目の意味は「俗に、逃げる。さぼる。」です。
もともとはヤクザなどの間で使われていた言葉です。
主に「白を切る」や「逃亡する」などの意味で用いられる言葉ですが、転じて、不良などの間で「学校の授業をサボる」という意味でも使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ばっくれて、あたしの稼いだお金でよその女にいい顔しようとする男なんてやだ、やだやだやだ!
(出典:内田春菊『息子の唇』)
・BBQの客引きはばっくれたし、中卒じゃまともな仕事なんてないよ。
(出典:石田衣良『池袋ウエストゲートパーク 第3巻 骨音』)
・もしばっくれやがったらただじゃすまねえぞ。
(出典:秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏 その2』)
類語
・すっぽかす
意味:すべきことをしないで放置する。そのまま打ち捨てておく。(出典:デジタル大辞泉)
・とんずら
意味:逃げることをいう俗語。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・脱走(だっそう)
意味:束縛されている場所から抜け出して逃げること。(出典:デジタル大辞泉)
・高跳び(たかとび)
意味:犯罪者などが遠くの土地へ逃げること。(出典:デジタル大辞泉)