孤独
「孤独な生活」などのように使う「孤独」という言葉。
「孤独」は、音読みで「こどく」と読みます。
「孤独」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「孤独」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
孤独の意味
「孤独」には次の二つの意味があります。
1 頼りになる人や心の通じあう人がなく、ひとりぼっちで、さびしい・こと(さま)。
2 寄るべなき身。(出典:大辞林 第三版)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
孤独の意味①「頼りになる人や心の通じあう人がなく、ひとりぼっちで、さびしい・こと(さま)。 」
「孤独」の一つ目の意味は「頼りになる人や心の通じあう人がなく、ひとりぼっちで、さびしい・こと(さま)。」です。
思うことを語ったり、心を通い合わせたりする人が一人もなく寂しいことやその様子をさします。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ほんとうは二人だけの孤独に苦しみ始めたのは倉地だけではなかったのか。
(出典:有島武郎『或る女』)
・孤独癖ということは、一般的には東洋人の気質であるかも知れないのだ。
(出典:萩原朔太郎『僕の孤独癖について』)
・後には次第に学校の友も出来たが、私の心はほとんどつねに孤独であった。
(出典:三木清『読書遍歴』)
・こんなに人は孤独になれるのかと感心してしまうくらいに孤独なんだ。
(出典:村上春樹『1Q84 BOOK3』)
類語
・独りぼっち(ひとりぼっち)
意味:仲間や頼る人などがいなくて、ただひとりであること。(出典:デジタル大辞泉)
・寂しい(さびしい)
意味:仲間や相手になる人がいなくて心細い。(出典:デジタル大辞泉)
・侘しい(わびしい)
意味:安らぎやうるおいがなく、つらくて心細い状態だ。(出典:大辞林 第三版)
孤独の意味②「寄るべなき身。」
「孤独」の2つ目の意味は「寄るべなき身。」です。
「孤」は親のない子、「独」は年老いて子のない人をさすことから、特にみなしごと、年老いて子のない独り者を指します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・幸雄はまったく孤独な者となったのを心のどこかで感じたらしく見えた。
(出典:宮本百合子『牡丹』)
・幼少の頃より孤独であつた私にとつて、それは運命的なものなのだらう。
(出典:北条民雄『孤独のことなど』)
・ディーニュの近くの田舎に、孤独な生活をしている一人の男があった。
(出典:ユゴー・ヴィクトル『レ・ミゼラブル』)
・男性の両親はすでに亡くなり、一人息子だった彼は天涯孤独であった
(出典:群ようこ『モモヨ、まだ九十歳』)
類語
・絶縁(ぜつえん)
意味:関係を絶つこと。縁を絶ち切ること。(出典:デジタル大辞泉)
・離れ離れ(はなればなれ)
意味:互いに離れた状態になること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・天涯孤独(てんがいこどく)
意味:広い世間に身寄りが一人もいないこと。(出典:大辞林 第三版)