平坦
「平坦な土地」などのように使う「平坦」という言葉。
「平坦」は、音読みで「へいたん」と読みます。
「平坦」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「平坦」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
平坦の意味
「平坦」には次の二つの意味があります。
1 土地などが平らなこと。また、そのさま。
2 物事が平穏で起伏のないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
平坦の意味①「土地などが平らなこと。また、そのさま。」
「平坦」の一つ目の意味は「土地などが平らなこと。また、そのさま。」です。
「平坦な道」で「平らな道」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そして、霧と銀色の平坦な土地だけが何処までもつづいているのだった。
(出典:菊地秀行『吸血鬼ハンター12a D-邪王星団1』)
・いくら美しいといっても、平坦な地方は、わたしには美しくは見えない。
(出典:ルソー/桑原武夫訳『告白(上)』)
・やがて、木立ちがまばらになった平坦なところに出たことに気がついた。
(出典:ウェルズ/能島武文訳『モロー博士の島』)
・反対に、低くて平坦な岸は、彼がその側では浅薄なことを証明している。
(出典:ソロー/神原栄一訳『森の生活』)
類語
・平ら(たいら)
意味:高低や起伏のないさま。でこぼこでないさま。(出典:デジタル大辞泉)
・平面(へいめん)
意味:平らな表面。また、表面が平らであること。(出典:デジタル大辞泉)
・水平(すいへい)
意味:静かな水面のように平らなこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・のっぺり
意味:平らで変化のないさま。(出典:デジタル大辞泉)
平坦の意味②「物事が平穏で起伏のないこと。また、そのさま。」
「平坦」の二つ目の意味は「物事が平穏で起伏のないこと。また、そのさま。」です。
「平坦な人生」で「浮き沈みのない平穏な人生」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼の人生は変わり、帝位継承への道はますます平坦になるだろう。
(出典:K・H・シェール『ドイツSF/シェール初期長編(全4巻) 4 宇宙船ピュルスの人々』)
・感情を感じさせない、例の平坦な口調で言ったのだった。
(出典:西尾維新『物語シリーズ 14 暦物語』)
・その日本語の発音と同じように、心もとても平坦なような気がする。
(出典:林真理子『ピンクのチョコレート』)
・両翼には平坦な闇が氾がるばかりでその明るい建物を余計高くしている。
(出典:矢作俊彦『リンゴォ・キッドの休日』)
類語
・つつがない
意味:病気・災難などがなく日を送る。平穏無事である。(出典:デジタル大辞泉)
・穏やか(おだやか)
意味:静かでのどかなさま。安らか。(出典:デジタル大辞泉)
・平和(へいわ)
意味:心配やもめごとがなく、おだやかなこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・安全(あんぜん)
意味:危険がなく安心なこと。傷病などの生命にかかわる心配、物の盗難・破損などの心配のないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)