遮る
「視界を遮る」などのように使う「遮る」という言葉。
「遮る」は、訓読みで「さえぎる」と読みます。
「遮る」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「遮る」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
遮るの意味
「遮る」には次の二つの意味があります。
1 間に隔てになるものを置いて、向こうを見えなくする。
2 進行・行動を邪魔してやめさせる。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
遮るの意味①「間に隔てになるものを置いて、向こうを見えなくする。」
「遮る」の一つ目の意味は「間に隔てになるものを置いて、向こうを見えなくする。」です。
「幕で遮る」などのように、向こうにあるものを見えなくすることを言います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・太陽は出ていないか、それとも電車の壁や屋根に遮られているのだろう。
(出典:乙一『暗いところで待ち合わせ』)
・山の部分が視界を遮っているため向こうに何があるのか見てとれない。
(出典:瀬名秀明『パラサイト・イヴ』)
・雲に遮ら見えはしないが、太陽は刻一刻と西の空に落ち始めている。
(出典:ベニー松山『風よ。龍に届いているか(上)』)
・木立には遮られてはいるが先ほどの処よりはもう少し高い眺望があった。
(出典:梶井基次郎『路上』)
類語
・遮蔽(しゃへい)
意味:おおいをしたり、他から見えなくしたりすること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・被覆(ひふう)
意味:おおいかぶせること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・コーティング
意味:物体の表面をパラフィンや樹脂などの薄膜で覆うこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・日覆い(ひおおい)
意味:日の光をさえぎるおおい。(出典:精選版 日本国語大辞典)
遮るの意味②「進行・行動を邪魔してやめさせる。」
「遮る」の二つ目の意味は「進行・行動を邪魔してやめさせる。」です。
この意味では「行く手を遮る」「計画を遮る」などのように、邪魔するという意味で使われることが多いです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そこまで来るともう楽器の響きは明瞭に何物にも遮られずに聞えてきた。
(出典:マン/高橋義孝訳『トニオ・クレーゲル/ヴェニスに死す』)
・身体の内側から囁きかけてくる声を、自分の大声で遮ったつもりだった。
(出典:宮部みゆき『ICO -霧の城』)
・社会人の知恵というもんですか、と言うぼくの言葉を彼は無言で遮った。
(出典:山田詠美『姫君』)
・まるで森全体が、彼の行手を遮るべく、生きて動いているようであった。
(出典:芥川竜之介『素戔嗚尊』)
類語
・妨害(ぼうがい)
意味:邪魔をすること。(出典:デジタル大辞泉)
・邪魔立て(じゃまだて)
意味:わざと邪魔をすること。(出典:デジタル大辞泉)
・割り込む(わりこむ)
意味:無理に押し分けて入り込む。(出典:デジタル大辞泉)
・閉塞(へいそく)
意味:通路や出入り口がふさがること。(出典:デジタル大辞泉)