出来心
「ほんの出来心だった」などのように使う「出来心」という言葉。
「出来心」は、音読みで「できごころ」と読みます。
「出来心」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「出来心」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
出来心の意味
「出来心」には次の意味があります。
・計画的でなく、その場で急に起こったよくない考え。(出典:デジタル大辞泉)
「出来心」とは、その場で急に出て来た悪い心のことです。
計画的ではなく、その場の思い付きでやったことなので許してください、というような意味で、謝罪などでよく「ほんの出来心で~」と使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・つかまったらどうするのだろう。あきらかに計画的な犯罪であり「つい出来心で」という言いわけは通用しないはずである。(出典:星新一『きまぐれ星のメモ』)
・公金に手をつけたといっても、ほんの出来心だったのでしょうし、現実に金は戻ってきた。(出典:南里征典『麻布憂愁夫人』)
・どんな人が住んでいるのかと、ふと出来心で、私は道をそれて林の中へはいて行った。(出典:江戸川乱歩『孤島の鬼』)
・車の群は南側の赤信号で停まっていました。だれも見ていないという状況が、ぼくに出来心を起させたのです。(出典:松本清張『迷走地図(上)』)
・一時の出来心に任せて、とんでもないことを仕出かしてしまったと、僕はどれほど後悔したことでしょう。(出典:江戸川乱歩『江戸川乱歩全短編2 本格推理II』)
類語
・魔が差す(まがさす)
意味:悪魔が心に入りこんだように、一瞬判断や行動を誤る。出来心を起こす。(出典:デジタル大辞泉)
・物の弾み(もののはずみ)
意味:ちょっとした成り行き。そのときの勢い。(出典:デジタル大辞泉)
・気紛れ(きまぐれ)
意味: 気が変わりやすいこと。その時々の思いつきや気分で行動すること。(出典:デジタル大辞泉)
・衝動(しょうどう)
意味:動作または行為を行おうとする抑えにくい内部的な欲求。目的が完遂することによって消滅する。(出典:デジタル大辞泉)
・邪念(じゃねん)
意味:悪意やたくらみを秘めた、よこしまな考え。邪心。(出典:デジタル大辞泉)