五臓六腑
「五臓六腑に染み渡る」という台詞を耳にしたことはありませんか?
読み方は「ごぞうろっぷ」。
「臓器」の「臓」という漢字が使われているので、内臓に関する言葉だと思う方も多いと思いますが、果たして・・・?
この記事では「五臓六腑」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながらわかりやすく解説していきます。
五臓六腑の意味
五臓六腑には次の意味があります。
・五臓と、大腸・小腸・胆・胃・三焦・膀胱ぼうこうの六腑とをいう。
はらわた。内臓。転じて、腹の中。心の中。(出典:大辞林)
「五臓六腑」を分かりやすく言うと「体の中の内臓全体」という意味です。
例えば、「五臓六腑に染み渡るうまさ」という場合は「体の中の内臓全体に染み渡るうまさ」といった意味になります。
ちなみに「五臓」とは肝臓、心臓、脾臓、肺、腎臓の5つのことで、「五臓六腑」は東洋医学での内臓の総称とされています。
具体的な使い方や例文は下記の通りです。
使い方・例文
・律動する光に包まれたオーラバトラーは、機体を震動させて、中に座る騎士たちの五臓六腑を揺すり、彼等の体内にまで光を透過させた。(出典:富野由悠季『オーラバトラー戦記 05 離反』)
・口をつけると上燗じょうかんに出来上っている酒の香りが、五臓六腑に沁しみ渡ります。(出典:中里介山『大菩薩峠』)
・膀胱は,五臓六腑の一つに数えられ、かなり昔から、その存在が知られていた。(出典:高橋長雄『からだの手帖』)
・そう思うと五臓六腑がデングリ返し的叛乱を起こしそうになる。 俺や朝比奈さんや長門や古泉が用済みってことになってはいまいな。(出典:谷川流『涼宮ハルヒの消失』)
・この桃八めの四尺九寸金鉄の身、五臓六腑みな若旦那のもので。(出典:井上ひさし『手鎖心中』)