人柱
「人柱になる」などのように使う「人柱」という言葉。
「人柱」は、訓読みで「ひとばしら」と読みます。
「人柱」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「人柱」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
人柱の意味
「人柱」には次の意味があります。
・ ある目的のために犠牲となった人。(出典:デジタル大辞泉)
「人柱」はもともと「神の生贄として殺された人」という意味の言葉ですが、転じて「ある目的のために犠牲となった人」という意味で使われています。
この意味では、本当に死んでいなくても、多大な犠牲をはらった場合などに使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・あなたが将来立派な人間に更正するためのコヤシ、人柱にでもなったというのか?
(出典:松岡圭祐『千里眼の教室』)
・今生きる世界中の人間は、かかる目的を遂げる労働力や人柱として、その血と肉体を使役されるのだ。
(出典:R・E・ハワード『征服王コナン』)
・いわば僕達は、世界が完全なものに近付くために消費される人柱で、モルモットなんだ。
(出典:相沢沙呼『午前零時のサンドリヨン』)
・男の願いが聞きとどけられ、男と妻は、一緒にその橋の人柱となったのである。
(出典:夢枕獏『陰陽師鳳凰ノ巻』)
・人柱にすがって私を救おうとした父と母の心を思うと悲しくて涙が出た。
(出典:高橋克彦『私の骨』)
類語
・献身(けんしん)
意味:一身をささげて尽くすこと。自分の利害得失を考えないで人や物事に力を尽くすこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・殉職(じゅんしょく)
意味:職責を果たそうとして命を失うこと。(出典:デジタル大辞泉)
・奉仕(ほうし)
意味:神仏・主君・師などに、つつしんでつかえること。(出典:デジタル大辞泉)
・捨石(すていし)
意味:今すぐには効果はなく、むだなように見えるが、将来役に立つことを予想してする投資や予備的行為など。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・人身供犠(じんしんくぎ)
意味:神の怒りをしずめるために人間を犠牲に供すること。(出典:百科事典マイペディア)