偶然
「偶然の出来事」などのように使う「偶然」という言葉。
「偶然」は、音読みで「ぐうぜん」と読みます。
「偶然」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「偶然」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
偶然の意味
「偶然」には次の意味があります。
・何の因果関係もなく、予期しないことが起こること。(出典:デジタル大辞泉)
わかりやすく言えば、「たまたまそうなること」という意味です。
対義語は「かならずそうなること」を意味する「必然(ひつぜん)」です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・偶然とはいいながら今彼に会ったことは登志子は何よりもうれしかった。
(出典:伊藤野枝『わがまま』)
・そしてここへ来てから偶然に耳にしたニュースのようなものを二つ三つ話した。
(出典:島木健作『癩』)
・最初のちょっとの間は、これはただ偶然の出来ごとに相違ないと思った。
(出典:三上於菟吉『空家の冒険』)
・本当らしい小説とは単に事件の発展に偶然性の少ないばかりではない。
(出典:芥川竜之介『侏儒の言葉』)
・Aの家へ私が着いたときは偶然新らしく東京へ来た連中が来ていました。
(出典:梶井基次郎『橡の花』)
類語
・計らずも(はからずも)
意味:思いもよらず。不意に。ふと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・たまたま
意味:その場合とか機会とかが偶然であるさまをいう。偶然に。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・たまさか
意味:めったにないこと。まれであること。(出典:デジタル大辞泉)
・端なく(はしなく)
意味:思いがけなく、偶然であるさまを表わす語。はからず。(出典:デジタル大辞泉)
・ふと
意味:はっきりした理由や意識もないままに事が起こるさま。思いがけず。(出典:デジタル大辞泉)