八面六臂
「八面六臂の働きをする」などのように使う「八面六臂」という言葉。
「八面六臂」は、音読みで「はちめんろっぴ」と読みます。
「八面六臂」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「八面六臂」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
八面六臂の意味
「八面六臂」には次の二つの意味があります。
1 仏像などが八つの顔と六つの腕をもつこと。
2 あらゆる方面にめざましい働きを示すこと。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
八面六臂の意味①「仏像などが八つの顔と六つの腕をもつこと。」
「八面六臂」の一つ目の意味は「仏像などが八つの顔と六つの腕をもつこと。」です。
元々は「三面六臂」という言葉が先に存在していましたが、六面より八面の方がよりあらゆる方向を表せるということで、この言葉が誕生しました。
「六臂」は「六本の腕」を意味します。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・八面六臂の姿で描かれることがある。
・それは八面六臂の化物であった。
類語
・三面六臂(さんめんろっぴ)
意味:仏像などが、一体で三つの顔と六つのひじを備えていること。(出典:デジタル大辞泉)
八面六臂の意味②「あらゆる方面にめざましい働きを示すこと。」
「八面六臂」の二つ目の意味は「あらゆる方面にめざましい働きを示すこと。」です。
あらゆる分野において才能を発揮することを表し、褒め言葉として使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼女が既に私の八面六臂の活躍の噂を流してくれていたのさ。
(出典:西尾維新『花物語』)
・例によって八面六臂の大活躍をやっていると、雑誌社から電話がかかって来て、魔利の長閑な状態は、破れた。
(出典:森茉莉/早川暢子編『貧乏サヴァラン』)
・学院にも席をおいて、じつに八面六臂、当時の知識の部門で彼がやってみなかった部門は一つもない、というくらいの学才だったらしいな。
(出典:ストーカー/平井呈一訳『吸血鬼ドラキュラ』)
・柳沢は今年に入ってから、GM提携の窓口役として八面六臂の大活躍で、睡眠時間は一日四、五時間しかとっていなかった。
(出典:佐藤正明『トヨタ・GM 巨人たちの握手』)
類語
・三面六臂(さんめんろっぴ)
意味:一人で数人分の働きをすること。(出典:デジタル大辞泉)
・縦横無尽(じゅうおうむじん)
意味:どの方面にも限りがないこと。物事を思う存分にすること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・多能(たのう)
意味:多くの技芸を身につけていること。多方面に才能があること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・オールマイティー
意味:なんでも完全にできること。また、そういう人や、そのさま。全能。(出典:デジタル大辞泉)