麻痺
「感覚が麻痺する」などのように使う「麻痺」という言葉。
「麻痺」は、音読みで「まひ」と読みます。
「麻痺」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「麻痺」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
麻痺の意味
「麻痺」には次の三つの意味があります。
1しびれて感覚がなくなること。しびれ。
2通常のはたらきや動きが停止すること。
3神経や筋肉が働かなくなって、運動機能や精神作用・知覚機能が失われること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
麻痺の意味①「しびれて感覚がなくなること。しびれ。」
「麻痺」の一つ目の意味は「しびれて感覚がなくなること。しびれ。」です。
何らかのショックなどによって、感覚が一時的に、はっきりしなくなることを意味します。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・多くの場合、それは双方の感覚がだんだんと麻痺してくるからなのです。
(出典:ストウ/山屋三郎,大久保博訳『アンクル・トムズ・ケビン(下)』)
・麻痺した顔の左半分は、平田の心の動きについてゆくことができないのだ。
(出典:宮部みゆき『蒲生邸事件』)
・着ているコートのポケットに、指の感覚が半分麻痺している手を突っ込む。
(出典:入間人間『電波女と青春男 第4巻』)
麻痺の意味②「通常のはたらきや動きが停止すること。」
「麻痺」の二つ目の意味は「通常のはたらきや動きが停止すること。」です。
人体やシステムなどに大きな混乱が生じて平静さを失った状態のことを言います。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・そういう風だから通信事務は一種の麻痺状態に陥って来ているのである。
(出典:伊藤整『太平洋戦争日記(三)』)
・最も恐れていたことが、現実のものになり、心がすっかり麻痺していた。
(出典:千葉暁『アルス・マグナ2 大いなる秘法 光と闇の双生児』)
・もうお前の麻痺した頭には、偶然と必然の区別さえつかなくなったのか。
(出典:江戸川乱歩『屋根裏の散歩者』)
麻痺の意味③「神経や筋肉が働かなくなって、運動機能や精神作用・知覚機能が失われること。」
「麻痺」の三つ目の意味は「神経や筋肉が働かなくなって、運動機能や精神作用・知覚機能が失われること。」です。
医学的な見地から判断される、全身の神経の狂いや誤作動のことです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・麻痺が完全に治っていない唇は不器用に彼の顎のあたりを動きまわった。
(出典:小池真理子『仮面のマドンナ』)
・すぐに飛びこんでは心臓が麻痺すると、いつも先生たちはおどしていた。
(出典:乙一『死にぞこないの青』)
・そうしないと呼吸麻痺のため二度と目覚めることはないと思われたからである。
(出典:北杜夫『楡家の人びと (上)』)