高みの見物
「高みの見物を決め込む」などのように使う「高みの見物」という言葉。
「高みの見物」は、「たかみのけんぶつ」と読みます。
「高みの見物」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「高みの見物」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
高みの見物の意味
「高みの見物」には次の意味があります。
・高い場所から下で起こっている騒ぎを見物する。事件と直接関係のない安全なところから、そのなりゆきを興味本位に傍観すること。(出典:ことわざを知る辞典)
「高みの見物」はもともと「高い場所から下で起きていることを見物すること」という意味の言葉ですが、転じて「第三者的な安全な場所から物事の成り行きを傍観すること」という意味で使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・あれこれ考えた末に副官は、ここ当分は何もしないで高みの見物をするほうが得策だと結論した。
(出典:ロバート・アスプリン『銀河おさわがせパラダイス』)
・みな競争相手の一人が早々に脱落する様子を、高みの見物とばかり見届けるだけだろう。
(出典:虚淵玄『Fate/Zero Vol.1 「第四次聖杯戦争秘話」』)
・イギリスやオランダの軍艦がそばで高みの見物をしとった。
(出典:阿部牧郎『篠懸の遠い道』)
・高みの見物にはいい場所だが、下から追いあげられたら逃げ場がない。
(出典:茅田砂胡『デルフィニア戦記 第2巻 「黄金の戦女神」』)
・「自分はこの現実と関係がないから、なにが起こっても無関係で、高みの見物が出来る」と思っている。
(出典:橋本治『宗教なんかこわくない!』)
類語
・傍観(ぼうかん)
意味:かたわらで見ること。そばでながめること。その事に関与せず、周囲から見ていること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・静観(せいかん)
意味:静かに観察すること。また、行動を起こさずに物事の成り行きを見守ること。(出典:デジタル大辞泉)
・野次馬(やじうま)
意味:自分に関係のないことに、興味本位で騒ぎ立て、見物すること。(出典:デジタル大辞泉)
・余所目(よそめ)
意味:よそごととして見ること。見ても問題にしないこと。見て見ないふりをすること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・対岸の火事(たいがんのかじ)
意味:自分には関係がなく、なんの苦痛もないこと。(出典:デジタル大辞泉)