顎を出す
「急坂が続いて顎を出した」などのように使う「顎を出す」という言葉。
「顎を出す」は、訓読みで「あごをだす」と読みます。
「顎を出す」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「顎を出す」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
顎を出すの意味
「顎を出す」には次の意味があります。
・ひどく疲れて、足が思うように動かず、顎だけが出る。疲れ切る。(出典:大辞林 第三版)
長い間歩いて疲れると、腰がひけて顎が出る格好になるところから生じた慣用句です。
体が疲れ果ててしまうことの他、仕事などで何か問題が持ち上がり自分だけではどうにもならない場合などにも使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ 荒原で顎を出し足を引きずっているときでも、こいつを聞くと奮いたってくる。
(出典:ハインライン『宇宙の戦士』)
・ 途中まで登って、顎を出している人の姿も見える。
(出典:阿刀田高『霧のレクイエム』)
・いくら若くて丈夫でも、歩きつけないものは、五時間も歩きつづければ顎を出してしまうのは当然だ。
(出典:カザノヴァ/田辺貞之助訳『カザノヴァ回想録 第一巻』)
・連日の重労働で、バテて顎を出しているのだった。
(出典:平井和正『狼の紋章』)
・ ナポレオンに会って、あたらしい仕事ですっかり顎を出しているところを見たかったのだ。
(出典:ナポレオン・ソロ・シリーズ『11 世界木枯し作戦』)
類語
・疲れる(くたびれる)
意味:長く体や心を使ったために、体力や気力が衰える。くたびれる。(出典:大辞林 第三版)
・困憊(こんぱい)
意味:ひどく疲れること。疲れて動けないこと。 (出典:大辞林 第三版)
・へこたれる
意味:気力がなくなって動けなくなる。へたばる。(出典:大辞林 第三版)
・疲労(ひろう)
意味:筋肉・神経などが、使いすぎのためにその機能を低下し、本来の働きをなしえなくなる状態。つかれ。(出典:デジタル大辞泉)
・ばてる
意味:《「疲れ果てる」の「果てる」から出て、もとスポーツ選手などの間で用いられていた語》すっかり疲れてしまう。くたびれて動けなくなる。へたばる。(出典:デジタル大辞泉)