開拓
「土地を開拓する」などのように使う「開拓」という言葉。
「開拓」は、音読みで「かいたく」と読みます。
「開拓」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「開拓」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
開拓の意味
「開拓」には次の二つの意味があります。
1 山野、荒地を開いて田畑などにすること。開墾。
2 新しい領域や、人の運命、進路、才能などを切り開くこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
開拓の意味①「山野、荒地を開いて田畑などにすること。開墾。」
「開拓」の一つ目の意味は「山野、荒地を開いて田畑などにすること。開墾。」です。
わかりやすく言うと、「未開の地を切り開いて、農業や村づくりをできるようすること」という意味になります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・明治政府が、北海道を開拓しようと、議決したのは、明治三年のことだ。
(出典:柴田錬三郎『(柴錬立川文庫5) 日本男子物語』)
・だが人淋しい開拓地にいる者達はそんな贅沢を言っている余裕はなかった。
(出典:渡辺淳一『花埋み』)
・当時の開拓者である庶民の生活と感情を明確に写実的に描いた。
(出典:トウェイン/鈴木幸夫訳『トム・ソーヤーの冒険』)
・開拓が済んだならその土地に留まれば良いのに、村人は次の土地へと向かう。
(出典:ろくごまるに『封仙娘娘追宝録08 刃を砕く復讐者(上)』)
類語
・開墾(かいこん)
意味:山林や原野を切り開いて、耕地にすること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・整地(せいち)
意味:作物の種まき、植付けのために土地を整えること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・移民(いみん)
意味:個人あるいは集団が永住を望んで他の国に移り住むこと。(出典:デジタル大辞泉)
・新天地(しんてんち)
意味:新しい世界。新しい活躍の場所。(出典:デジタル大辞泉)
開拓の意味②「新しい領域や、人の運命、進路、才能などを切り開くこと。」
「開拓」の二つ目の意味は「新しい領域や、人の運命、進路、才能などを切り開くこと。」です。
一つ目の意味である、「山野、荒地を開いて田畑などにすること」が転じて、「新たな分野を広げる」という意味で用いられるようになりました。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・「君はもう卒業論文へとりかかったのか」と、全く別な方面へ話題を開拓した。
(出典:芥川龍之介『舞踏会・蜜柑』)
・事業への欲は、これから開拓する新しい分野で満足を得るつもりです。
(出典:星新一『人民は弱し 官吏は強し』)
・駅の方まで出るのも面倒だし、特に外食店を開拓したいわけでもなく。
(出典:入間人間『電波女と青春男 第03巻』)
・なんであいつはそうやって、狭いジャンルの開拓に積極的なのだろう。
(出典:西尾維新『偽物語(下)』)
類語
・挑む(いどむ)
意味:ある対象に立ち向かっていく。(出典:デジタル大辞泉)
・進出(しんしゅつ)
意味:勢力拡張・新分野開拓のために乗り出すこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・拡大(かくだい)
意味:広げて大きくすること(出典:デジタル大辞泉)
・先駆け(さきがけ)
意味:他のものより先になること。(出典:デジタル大辞泉)