貧すれば鈍する
「貧すれば鈍するとはこのことである」などのように使う「貧すれば鈍する」という言葉。
「貧すれば鈍する」は、音読みで「ひんすればどんする」と読みます。
「貧すれば鈍する」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「貧すれば鈍する」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
貧すれば鈍するの意味
「貧すれば鈍する」には次の意味があります。
・貧乏になるとその性質や頭の働きまでも愚鈍になる。また、貧乏するとさもしい心をもつようになることにもいう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
頭が良い人や性格が良い人でも、金銭的な余裕を失うと精神の働きが愚鈍になる、という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・貧すれば鈍するとはこのことで、退職金を切り崩す、無職生活が続いている。
(出典:西尾維新『忘却探偵シリーズ 1 掟上今日子の備忘録』)
・結果暮らしに困り、貧すれば鈍するの諺通り見る間に駄目になり、遂に生計も立ち行かなくなった。
(出典:京極夏彦『鉄鼠の檻』)
・しかし、貧すれば鈍するっていいましてね。
(出典:横溝正史『人形佐七捕物帳 15』)
・貧すれば鈍するの譬えのとおり、弱者はこれを真に受けて信じてしまった。
(出典:サド/澁澤龍彦訳『美徳の不幸』)
・「貧すれば鈍するとはこのことか」 大海人は愚痴を漏らした。
(出典:井沢元彦『日本史の叛逆者 私説・壬申の乱』)
類語
・醜態(しゅうたい)
意味:見苦しい態度・行動。(出典:デジタル大辞泉)
・野放図(のほうず)
意味:人を人とも思わないずうずうしい態度。横柄なこと。 (出典:デジタル大辞泉)
・強弁(きょうべん)
意味:無理に理屈をつけて、自分の意見や言い訳を通そうとすること。(出典:デジタル大辞泉)
・越権(えっけん・おっけん)
意味:許容されている権限を越えて、他のことに立ち入ること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・無遠慮(ぶえんりょ)
意味:遠慮をせず、好きなように振る舞うこと。(出典:デジタル大辞泉)