言わぬが花
「これから先は言わぬが花だ」などのように使う「言わぬが花」という言葉。
「言わぬが花」は、訓読みで「いわぬがはな」と読みます。
「言わぬが花」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「言わぬが花」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
言わぬが花の意味
「言わぬが花」には次の意味があります。
・口に出して言わないほうが味わいもあり、差し障りもなくてよい。(出典:デジタル大辞泉)
江戸中期の浄瑠璃「新版歌祭文」の一節にある、「三々九度うは言はぬが花嫁」が由来とされています。
「○○が花」の形で行動を限定し、それに越したことはないというように、その場での発言を控えるときなどに用いられます。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そういうことは言わぬが花というものだろう。
(出典:西尾維新『クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識』)
・言わぬが花、って言葉もあるけど、別に言わない方がいいようなその後って感じでもないつもりですし、うーん、よくわからん。
(出典:賀東招二『フルメタル・パニック!12 ずっと、スタンド・バイ・ミー(下)』)
・「言わぬが花」 ということわざは、 「言わないところに味がある」 といったような意味だろう。
(出典:青木雨彦『ことわざ雨彦流』)
・なるほど、優さんが「言わぬが花」と言うのなら、祥子にとっても「聞かぬが花」なのであろう。
(出典:今野緒雪『マリア様がみてる 25 大きな扉 小さな鍵』)
・橘はそこに、おととい長沙からの車中で行き先をたずねたとき、彼が、言わぬが花、と応じたのとそっくりな表情をみとめた。
(出典:原登『村 の 名 前』)
類語
・言わぬは言うにまさる(いわぬはいうにまさる)
意味:ことばではっきり言うよりも、口に出さない方がかえって思いの深さが表れる。また、話すよりも黙っている方が得策だ。(出典:ことわざを知る辞典)
・雄弁は銀沈黙は金(ゆうべんはぎんちんもくはきん)
意味:雄弁は大事だが、沈黙すべきときを心得ていることはもっと大事だということ。英国の思想家カーライルの「衣装哲学」にみえる言葉。(出典:デジタル大辞泉)
・知らぬが仏(しらぬがほとけ)
意味:知れば腹も立つが、知らないから仏のように平静でいられる。また、本人だけが知らないで平然としているのを、あざけっていう語。(出典:デジタル大辞泉)
・言わずもがな(いわずもがな)
意味:言わないほうがよい。言わでもの。(出典:デジタル大辞泉)
・奥床しい(おくゆかしい)
意味:深みと品位があって、心がひかれる。深い心遣いが感じられて慕わしい。(出典:デジタル大辞泉)