要領
「要領よく掃除する」などのように使う「要領」という言葉。
「要領」は、音読みで「ようりょう」と読みます。
「要領」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「要領」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
要領の意味
「要領」には次の二つの意味があります。
1 物事の最も大事な点。要点。
2 物事の要点をつかんだ、うまい処理の仕方。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
要領の意味①「物事の最も大事な点。要点。」
「要領」の一つ目の意味は「物事の最も大事な点。要点。」です。
話や文章などの最も大事な部分を意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・途中から見たせいか、映像の解説を聞いていても、要領を得ない。
(出典:新田一実『暗闇の狩人 霊感探偵倶楽部』)
・質問する方も要領を得なかったが、答えるこちらはいっそうしどろもどろ。
(出典:芦辺拓『月蝕姫のキス』)
・わしの説明は、大体こんなところじゃが、どうだね、要領は掴めたかな?
(出典:カー/宇野利泰訳『帽子蒐集狂事件』)
・こんな要領の答をすると、檢事は一通の手紙を出してわたしに示すのでした。
(出典:石川三四郎『浪』)
類語
・要旨(ようし)
意味:述べられていることの主要な点。また、内容のあらまし。(出典:デジタル大辞泉)
・要点(ようてん)
意味:物事の中心となるところ。重要な点。(出典:デジタル大辞泉)
・趣旨(しゅし)
意味:文章や話などで、言おうとする事柄。趣意。(出典:デジタル大辞泉)
・概略(がいりゃく)
意味:おおよその内容。あらまし。大略。概要。(出典:デジタル大辞泉)
要領の意味②「物事の要点をつかんだ、うまい処理の仕方。」
「要領」の二つ目の意味は「物事の要点をつかんだ、うまい処理の仕方。」です。
「要領よく掃除する」で、「ポイントをおさえたやり方で手際よく掃除する」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・野菜の料理を彼女は要領良く作り、ふたりはそれを食べてお茶を飲んだ。
(出典:片岡義男『物のかたちのバラッド』)
・仕事の要領は直接やって見せる以外には説明しようがなかったのかもしれない。
(出典:胡桃沢耕史『旅券のない旅』)
・何回もやっているうちに、その要領のようなものが身についてくる。
(出典:星新一『きまぐれ博物誌・続』)
・乗客一人一人の間を通り、まるで検札の要領で、パスポートを見て回る。
(出典:阿川佐和子『走って、ころんで、さあ大変』)
類語
・骨(こつ)
意味:物事をうまく処理する要領。呼吸。勘所。(出典:デジタル大辞泉)
・秘訣(ひけつ)
意味:人には知られていない最も効果的な方法。とっておきの手段。(出典:デジタル大辞泉)
・勘所(かんどころ)
意味:はずすことのできない大事なところ。肝心なところ。急所。(出典:デジタル大辞泉)
・手際(てぎわ)
意味:物事の処理のしかた。また、物事を処理する要領・腕前。(出典:デジタル大辞泉)