虚血
「心筋虚血」などのように使う「虚血」という言葉。
「虚血」は、読みで「きょけつ」と読みます。
「虚血」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「虚血」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
虚血の意味
「虚血」には次の意味があります。
・末梢組織への血液供給が急激に不足する状態。高度の局所的貧血といえる。(出典:デジタル大辞泉)
血栓などで血管が閉塞した場合に、閉塞部以下の組織への血流が急激に減少するという状態。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・虚血による死は悪くはないが、そのほかに、ぼくが見た唯一の自然死は、スペイン風邪による死だ。
(出典:ヘミングウェー/高村勝治訳『勝者には何もやるな/ヘミングウェー短編集3』)
・それは、心臓が停止してから腎を摘出するまでどうしても虚血の時間が生じてしまい、それが腎に障害を与えるためだ。
(出典:瀬名秀明『パラサイト・イヴ』)
・顔色が悪い、息が荒い、交感神経が緊張して消化器系は虚血傾向を起こすから食欲が落ちる。
(出典:小野不由美『屍鬼(下)』)
・虚血によって瞳孔が狭まり、目の前が暗転する。
(出典:安生正『生存者ゼロ』)
・一過性虚血発作だろうということで入院をすすめられたが、Nが一日おきにみまいに来てくれるというのが気の毒でたえられないので「執行猶予」を酒井先生に願い、それいらい月、水、金と静注にタクシーで往復している。
(出典:神谷美恵子『神谷美恵子日記』)
類語
・乏血(ぼうけつ)
意味:局所の貧血で乏血とも呼ばれ,全身性の貧血と区別する。流れ込む動脈血の量が,動脈が圧迫されたり血栓などで閉塞されて減少するために起きる。(出典:デジタル大辞泉)
・阻血(そけつ)
意味:血流が一時的または永続的に阻まれること。(出典:デジタル大辞泉)