虚偽
「虚偽申告」などのように使われる「虚偽」という言葉。
「きょぎ」と読みます。
「虚」と「偽」というどちらも似たような意味を持つ漢字を組み合わせた熟語なのでなんとなく意味を理解している方も多いかもしれません。
しっかりと正しい意味を把握しておきましょう。
この記事では「虚偽」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していいきます。
虚偽の意味
「虚偽」には次の意味があります。
・真実ではないのに、真実のように見せかけることうそ。いつわり。(出典:デジタル大辞泉)
「虚偽申告」とは「うその申告」となるんですね。
さらに、ただのうそとは違うのは真実のように見せかけることにあります。
そこに騙し通そうとする意志がある分、ただうそを吐くより悪いイメージがあるんですね。
具体的な使い方、例文は下記の通りです。
使い方・例文
・と云うのは虚偽は形式論理学に於ても必ずしも非性格的ではないであろう。
(出典:戸坂潤『イデオロギーの論理学』)
・併しさうして滅入りながらも彼はそこにも或る虚偽がある事を意識した。
(出典:長与善郎『青銅の基督』)
・そこに現実としての虚偽があると同時に芸術としての真実が存在する。
(出典:夢野久作『能とは何か』)
・存在し、生活していることは虚偽でも真実でもないそれ自体のことである。
(出典:吉本隆明『悲劇の解読』)
・われわれが死んだ生を生きているとすれば、彼らは虚偽の死を死んでいく。
(出典:片山恭一『雨の日のイルカたちは』)
・そして、彼女が虚偽に満ちた女であると思うことはできなかったのである。
(出典:フィルポッツ/赤冬子訳『赤毛のレッドメーン家』)