蘇る
「思い出が蘇る」などのように使う「蘇る」という言葉。
「蘇る」は、訓読みで「よみがえる」と読みます。
「蘇る」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「蘇る」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
蘇るの意味
「蘇る」には次の二つの意味があります。
1 死んだもの、死にかけたものが生きかえる。蘇生する。
2 一度衰退したものが、再び盛んになる。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
蘇るの意味①「死んだもの、死にかけたものが生きかえる。蘇生する。」
「蘇る」の一つ目の意味は「死んだもの、死にかけたものが生きかえる。蘇生する。」です。
めったに起こることではありませんが、命あるものが、息が止まってしまったもしくは止まりそうな状態から、復活すること言います。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・最後の審判の日まで死者は墓の下で眠り続け、決して蘇ることなどない。
(出典:京極夏彦『狂骨の夢)
・死んだ人々を蘇らせる力があるのに、それを使わないなんて話がある!?
(出典:賀東招二『フルメタル・パニック!12 ずっと、スタンド・バイ・ミー(下)』)
・生きた命を生み出すことはなく、ただ死者を蘇らせるだけの存在だ。
(出典:水戸泉『ヴァンパイア・プリンセス』)
・それでは仮に彼女が蘇ったとしても、魂がこの世に宿るべき肉体がない。
(出典:辻真先『私のハートに、あなたのメスを』)
類語
・生き返る(いきかえる)
意味:いったん死にかけていたものが息を吹きかえす。(出典:デジタル大辞泉)
・息を吹き返す(いきをふきかえす)
意味:生き返る。(出典:デジタル大辞泉)
・蘇生(そせい)
意味:息をふきかえすこと。生き返ること。よみがえること。(出典:デジタル大辞泉)
・生還(せいかん)
意味:生きて戻ってくること。生命を失うことなくかえること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
蘇るの意味②「一度衰退したものが、再び盛んになる。」
「蘇る」の二つ目の意味は「一度衰退したものが、再び盛んになる。」です。
一度なくなりかけたものが、再び現れたり、戻ってきたりすることを言います。
多くの場合、人の感情や記憶、過去の状況・状態などに対して使われます。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・だが考えまいとしても、すぐに昨夕の森の中での光景が蘇ってくる。
(出典:坂東眞砂子『蛇鏡』)
・いつだったか亡くなった父カウン医師が言っていた言葉が、胸に蘇った。
(出典:森瑤子『望郷』)
・考えているだけで嫌になり、恥辱と憤怒が蘇るようなことばかりであった。
(出典:佐藤大輔『皇国の守護者2 名誉なき勝利』)
・無事に修理が終わり、板金塗装の痕跡も残さずその美しさを蘇らせている。
(出典:松岡圭祐『千里眼 美由紀の正体 下』)
類語
・呼起す(よびおこす)
意味:うちにひそんでいたものを表に出させる。忘れていたことを思い出させる。(出典:デジタル大辞泉)
・呼覚ます(よびさます)
意味:うちに隠されていた感覚や記憶などをよみがえらせる。(出典:デジタル大辞泉)
・戻る(もどる)
意味:もとの状態にかえる。旧に復す。(出典:デジタル大辞泉)
・立ち返る(たちかえる)
意味:もとの位置や状態に戻る。(出典:デジタル大辞泉)