華奢
「華奢な体つき」などのように使う「華奢」という言葉。
「華奢」は、音読みで「きゃしゃ」と読みます。
「華奢」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「華奢」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
華奢の意味
「華奢」には次の三つの意味があります。
1 姿かたちがほっそりして、上品に感じられるさま。繊細で弱々しく感じられるさま。
2 器物などの作りが、頑丈でないさま。
3 上品ではなやかなさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
華奢の意味①「姿かたちがほっそりして、上品に感じられるさま。繊細で弱々しく感じられるさま。」
「華奢」の一つ目の意味は「姿かたちがほっそりして、上品に感じられるさま。繊細で弱々しく感じられるさま。」です。
人物や身体の一部が「弱く儚げに見える外見の中に、美しさも感じるようす」を言います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・たそがれ時のようなその世界に、華奢な印象を与える少年の姿があった。
(出典:九条公人『新世紀EVANGELION「反旗」』)
・東京の学校へ行ってゐるといふ福本の娘の華奢な恰好も目についてゐた。
(出典:金田千鶴『夏蚕時』)
・レナの華奢そうな腕では、とてもそんなことが出来るようには思えない。
(出典:竜騎士07『ひぐらしのなく頃に 01 鬼隠し編』)
類語
・虚弱(きょじゃく)
意味:力や勢いが弱いこと。特に、からだが弱いこと。(出典:デジタル大辞泉)
・繊細(せんさい)
意味:ほそく小さいこと。ほっそりとして優美なこと。(出典:デジタル大辞泉)
・繊麗(せんれい)
意味:ほっそりとして美しいこと。しなやかで美しいさま。 (出典:大辞林 第三版)
華奢の意味②「器物などの作りが、頑丈でないさま。」
「華奢」の二つ目の意味は「器物などの作りが、頑丈でないさま。」です。
物などが「壊れやすい性質を持っていること」を言います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・華奢な茶杓をにぎつた手が意外にしたたかなものであつたことがわかる。
(出典:唐木順三『千利休』)
・確かに彼の体格では、華奢な鋳鉄飾りの方が負けてしまうかもしれない。
(出典:篠田真由美『未明の家 建築探偵桜井京介の事件簿』)
・鳥籠の扉には、ワタルの爪ぐらいの大きさの華奢な掛け金がかかっていた。
(出典:宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー 下巻』)
類語
・脆弱(ぜいじゃく)
意味:もろくて弱いこと。(出典:デジタル大辞泉)
・脆い(もろい)
意味:こわれやすい。くだけやすい。(出典:大辞林 第三版)
・柔(やわ)
意味:弱々しいさま。こわれやすいさま。 (出典:大辞林 第三版)
華奢の意味③「上品ではなやかなさま。」
「華奢」の三つ目の意味は「上品ではなやかなさま。」です。
高貴で魅力を感じさせるようすを言います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼女たちの華奢な生活を、娘たちは憧れ、その風俗を真似しているのだ。
(出典:松本清張『かげろう絵図(下)』)
・華奢な祝品の数々のほかには実用品も多く添えて源氏は贈ったのである。
(出典:与謝野晶子『源氏物語』)
・娘のためにはまぶしい気がするほどの華奢な設備のされてある入道の家であった。
(出典:与謝野晶子『源氏物語』)
類語
・豪勢(ごうせい)
意味:並み外れてぜいたくなこと。景気がよく、派手なこと。(出典:デジタル大辞泉)
・驕奢(きょうしゃ)
意味:おごっていてぜいたくなこと。(出典:デジタル大辞泉)
・豪奢(ごうしゃ)
意味:非常にぜいたくで、はでなこと。(出典:デジタル大辞泉)