自家撞着
「自家撞着に陥る」などのように使う「自家撞着」という言葉。
「自家撞着」は、音読みで「じかどうちゃく」と読みます。
「自家撞着」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「自家撞着」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
自家撞着の意味
「自家撞着」には次の意味があります。
・同一人の文章や言動が前後食い違って、合わないこと。(出典:デジタル大辞泉)
「自家」とは自分自身のこと、「撞着」は「突き当たる」という意味があります。
「自家撞着」をわかりやすく言えば「自己矛盾していること」という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・こういった自家撞着の関係に幽閉されて帰らぬ人となったのは大勢いる。
(出典:赤瀬川原平『老人力 全一冊』)
・最後の特徴を中国民族の性格のうちにある自家撞着と見るところは、これ又何とバック夫人の見解と似ていることだろう。
(出典:宮本百合子『「揚子江」』)
・そればかりではない、ウィルソンの論旨もまた自家撞着に陥つてゐる。
(出典:シェイクスピア/福田恆存訳『ヘンリー四世』)
・ここに至って畢竟マットン博士の所説は自家撞着に終るものなることを示す。
(出典:宮沢賢治『ビジテリアン大祭』)
・だからわざわざ面倒な心理操作を加え、自家撞着であることは分かっていてもこういう物の考え方を通さねばならなかった。
(出典:酒見賢一『後宮小説』)
類語
・矛盾(むじゅん)
意味:二つの物事がくいちがっていて、つじつまが合わないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・食い違い(くいちがい)
意味:食い違うこと。また、その点。(出典:デジタル大辞泉)
・相反する(あいはんする)
意味:互いに反対の関係にある。一致しない。対立している。(出典:デジタル大辞泉)
・二律背反(にりつはいはん)
意味: 哲学で、相互に矛盾する二つの命題が同等の妥当性をもって主張されること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・齟齬(そご)
意味:物事がうまくかみ合わないこと。食い違うこと。(出典:デジタル大辞泉)