背水の陣
「背水の陣を敷く」などのように使う「背水の陣」という言葉。
「背水の陣」は、音読みで「はいすいのじん」と読みます。
「背水の陣」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「背水の陣」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
背水の陣の意味
「背水の陣」には次の意味があります。
・一歩もあとにはひけないせっぱ詰まった状況・立場。また、そういう状況に身を置いて、必死の覚悟で事にあたること。(出典:大辞林 第三版)
中国古代・漢の名将がわざと川を背にして陣を敷いて、味方に決死の覚悟で戦わせ相手を倒した『史記』「淮陰侯列伝(わいいんこうれつでん)」の故事により生まれた言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・背水の陣をしいて臨んだ試験の当日は、例年より早い梅雨入りとなった。
(出典:篠田節子『女たちのジハード』)
・その点、今回はどんな戦にせよ背水の陣というところがある。
(出典:黒岩重吾『白鳥の王子 ヤマトタケル 5 東征の巻(下)』)
・これまた背水の陣で立派なものだと感心する。
(出典:青島幸男『極楽トンボ』)
・絶対に叶えたい願いを成就させるためだったら、人間ってのは背水の陣を敷く。
(出典:奈須きのこ『歌月十夜 03 宵待閑話』)
・私はそこに背水の陣を布いてしまったのだ。
(出典:有島武郎『惜みなく愛は奪う』)
類語
・剣が峰(けんがみね)
意味:それ以上少しの余裕もない、ぎりぎりの状態。(出典:デジタル大辞泉)
・窮地(きゅうち)
意味: 追い詰められて逃げ場のない苦しい状態や立ち場。 (出典:デジタル大辞泉)
・瀬戸際(せとぎわ)
意味:勝負・成否などの分かれ目。(出典:デジタル大辞泉)
・あわや
意味:危険などがその身に及ぶ寸前であるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・角番(かどばん)
意味:囲碁・将棋などの連続した対局で、勝負が決まる局番。(出典:大辞林 第三版)