肥大
「内臓脂肪の肥大」などのように使う「肥大」という言葉。
「肥大」は、音読みで「ひだい」と読みます。
「肥大」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「肥大」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
肥大の意味
「肥大」には次の二つの意味があります。
1 太って大きくなること。
2生体の一部の容積が増すこと。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
肥大の意味①「 太って大きくなること。」
「肥大」の一つ目の意味は「 太って大きくなること。」です。
一つの場所に沢山のものが集まってきて個数や重量が大きくなっていくことです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・だが江戸は現代の肥大化した東京を的確に捉えているとは思えなかった。
(出典:池上永一『シャングリ・ラ 下』)
・そのことによって、元老の下で肥大する陸軍のエゴを抑えるべきだった。
(出典:橋本治『二十世紀(上)』)
・新山初美の話を聞いたことにより、危惧と不安がよりいっそう肥大した。
(出典:新堂冬樹『忘れ雪』)
・声に出して言わねば、その疑問は彼の内部で肥大する一方だったのだ。
(出典:半村良『獣人伝説』)
・それは無数の小さいものを犠牲にして、大きい奴だけが肥大して行くことだ。
(出典:黒島伝治『武装せる市街』)
肥大の意味②「 生体の一部の容積が増すこと。」
「肥大」の二つ目の意味は「生体の一部の容積が増すこと。」です。
生き物それ自体が肥満すること、または臓器や体の器官が何かの原因で大きくなってしまうことです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・失われた機能を補完するために肥大してしまった脳のある部分。
(出典:篠田節子『ハルモニア』)
・金林も男の中高年の常で、前立腺が肥大しており、小便が円滑に出ない。
(出典:深田祐介『暗闇商人(下)』)
・孫の異常を、肥大した自己愛によるものだと祖父は一瞬にして悟った。
(出典:大槻ケンヂ『グミ・チョコレート・パイン グミ編』)
・痛みの感覚だけが肥大化し、他の感覚は麻痺しているように思えた。
(出典:小池真理子『仮面のマドンナ』)
・拡張型は肥大型と違い、心筋が伸びきって心室自体が広がってしまう。
(出典:橋本紡『半分の月がのぼる空4』)