紡ぐ
「糸を紡ぐ」などのように使う「紡ぐ」という言葉。
「紡ぐ」は、訓読みで「つむぐ」と読みます。
「紡ぐ」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「紡ぐ」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
紡ぐの意味
「紡ぐ」には次の二つの意味があります。
1綿や繭(まゆ)を錘(つむ)にかけて繊維を引き出し、縒(よ)りをかけて糸にする。
2言葉をつなげて文章を作る。多く、物語や詩歌などを作ることをいう。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
紡ぐの意味①「綿や繭(まゆ)を錘(つむ)にかけて繊維を引き出し、縒(よ)りをかけて糸にする。」
「紡ぐ」の一つ目の意味は「綿や繭(まゆ)を錘(つむ)にかけて繊維を引き出し、縒(よ)りをかけて糸にする。」です。
綿や繭を錘にかけて糸にしていくときに使われます。また糸を巻き取っていき1本にすることも意味します。現代では比喩表現として未来を紡ぐ、想いを紡ぐなどにも用いられています。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・で、わたしは下におりまして、また糸を紡ぎはじめましたのでございます。
(出典:ユゴー/辻昶,松下和則訳『ノートルダム・ド・パリ(下)』)
・お前たちはアムブロアジヌお婆あさんが車で糸を紡いでゐるのを見たらう。
(出典:ファーブル・ジャン・アンリ『科学の不思議』)
・彼女はここで、血の因縁とはまた別の因縁を紡いでいたということか。
(出典:明野照葉『輪(RINKAI)廻』)
・それも、ブレンヒルトの右手が書く文字と、唇が紡ぐ言葉によって、だ。
(出典:川上稔『AHEADシリーズ 3 終わりのクロニクル2〈上〉』)
類語
・編む(あむ)
意味:糸・竹・籐(とう)・針金・髪などを互い違いに組み合わせて、一つの形に作り上げる。(出典:デジタル大辞泉)
・結ぶ(むすぶ)
意味:ひもなど、細長いものを組んでつなぐ。また、結び目をつくる。(出典:デジタル大辞泉)
・作る(つくる)
意味:材料・原料・素材などを用いたり、それに手を加えたりして、まとまりのあるものや意味のあるものに仕上げる。(出典:デジタル大辞泉)
・育む(はぐくむ)
意味:大事に守って発展させる。(出典:デジタル大辞泉)
紡ぐの意味②「言葉をつなげて文章を作る。多く、物語や詩歌などを作ることをいう。」
「紡ぐ」の二つ目の意味は「言葉をつなげて文章を作る。多く、物語や詩歌などを作ることをいう。」です。
一つ一つの言葉をつないでいくことで一つの文章や詩歌、物語などを作るのを意味します。 また言葉だけでなく歴史や経験などにも用いられています。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ルイズは考えを整理するような顔になると、言葉を紡ぎはじめたのだった。
(出典:ヤマグチノボル『ゼロの使い魔 第18巻 滅亡の精霊石』)
・わたしのお母さんが紡ぎ出す言葉を、二人は体を固くして聞いていた。
(出典:乙一『夏と花火と私の死体』)
・こうした淘汰をくり返して、人は歴史を紡いできたのだと教えるように。
(出典:福井晴敏『∀ガンダム(上)』)
・頭の中にそう叫ぶ声はあったが、唇は勝手にことばを紡いでしまう。
(出典:久美沙織『ドラゴンクエスト5 天空の花嫁 第1巻』)
類語
・繋げる(つなげる)
意味:ひもや綱などを結び合わせてひと続きにする。(出典:デジタル大辞泉)
・操觚(そうこ)
意味: 筆をあやつって詩文を作ること。文筆に従事すること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・編纂(へんさん)
意味:いろいろの材料を集め、整理・加筆などして書物にまとめること。(出典:デジタル大辞泉 )
・不変(ふへん)
意味:変化しないこと。かわらないこと。また、そのさま。(出典: 精選版 日本国語大辞典 )